コース10 鳥について知ろう:1時間目 押さえおきたい5つのポイント

ダイアン・グリンドル著


鳥との暮らしを楽しんでいる方でも、彼らが持つ特殊な能力について考えることはないかもしれません。鳥類とは本来、空を飛び、群れを成し、空や森の中に住む生き物です。哺乳類とはまったく違う環境の元で進化を遂げました。

1. 唐辛子が食べられます

インコやオウムが平然と唐辛子を齧る姿を見て驚かれた方もいるでしょう。人間の舌には味蕾が9,000個ありますが、鳥には350個しかなく、嗅覚もそれほど鋭くありません。これが理由か定かではありませんが、鳥は唐辛子の辛さに反応することなく食べることができます。唐辛子は栄養が豊富で、販売されているフードの中にも乾燥唐辛子が入っているものがあります。

唐辛子やピーマンは良いおやつにもなります。辛味を気にすることなく、新鮮な生のものを他の野菜と合わせて串に刺したり、ボウルに入れたりして与えましょう。ちぎって遊べる低カロリーなおやつです。色や形が豊富にあるのも良い点です。

2. 飛ぶために生まれた

鳥の体はすべて飛ぶためにあり、その仕組みは知れば知るほど驚きの連続です。軽量化のために、骨の中は空洞になっていて、頭蓋骨も極めて薄い骨でできています。また、顎や歯を嘴に変えることで、さらに重量を減らしています。食べたものは筋胃で粉砕し、すばやく消化することができます。

体を羽毛で覆うことで、飛翔中も保温効果が得られます。羽毛の保温性の高さは、我々人間も、ダウンコートや羽毛布団として恩恵を受けています。

コンパニオンバードの羽をクリッピングすべきか? 家の中では、窓への衝突や外へ飛び出してしまうなどの事故に繋がることもあります。一方で、飛ぶことは鳥にとって当然の行動であり運動手段です。風切羽を数枚カットした場合も、半年から一年で生え変わります(オカメインコなどはもっと早いサイクルで生え変わります)。 

飛べない状態だと同居している他のペット(犬や猫)から逃げることができないかもしれません。飛べる状態でも、トレーニングをすることで呼べば戻ってくるようにできるかもしれませんし、事故が起きないように部屋のレイアウトを改善することもできます。クリッピングする前に、再度考えてみましょう。

3. 消化機能

鳥には「そのう」と「筋胃」という哺乳類にはない消化器官があります。食べきれないほど餌をたくさん見つけたときに、そのうに一旦蓄えて、後で消化に移す機能があります。そのうは喉の近くにある筋肉質な袋で、食道の一部です。食べたものを柔らかくして、筋胃を含む消化器官に送り込みます。筋胃は哺乳類でいうところの咀嚼を行う場所です。重量物である「歯」を使うことなく、咀嚼できる臓器です。

食べたものがそのうに蓄えられている姿は、羽が生えそろっていない雛ではっきり見ることができます。お腹いっぱいまで食べた雛は、そのうがパンパンになって、体の半分がそのうでできているように見えますよ。

4. 防水機能

鳥は羽繕いに多くの時間を掛けます。尾の近くにある尾脂腺から嘴で油を取り、羽一枚一枚に広げて繕うことで、羽が綺麗になるだけでなく、防水効果が得られ、また体温も上がります。オカメインコやオウムには、粉綿羽と呼ばれる断熱効果が高い羽があります。粉綿羽は崩れやすく、脂粉になります。

週に一回は水浴びをさせて、羽繕いを促しましょう。みなさんがシャワーを浴びるときに連れて行って、湯気を浴びるのも羽に良いです。その場合は、お風呂場に取り付けられる専用の止まり木が販売されているので、それを取り付けて安全を確保しましょう。

羽の状態を見て健康チェックができます。羽の色がくすんだり、異なる色が現れたり、筋のような線が現れたりしたら病院で診てもらいましょう。病気や栄養不足など、羽は、鳥の体調を外見からチェックできる数少ない部位です。

5. 特殊な呼吸システム

哺乳類は2つの肺を広げたり縮めたりすることで呼吸しています。一方、鳥類の肺は小さく、哺乳類のようには動きません。その代わり、肺から分岐した気嚢と呼ばれる臓器が体中に広がり、呼吸システムを形成しています。気嚢は空洞になっている骨の中にもあります。鳥類はこの特殊な呼吸器を使って、体温調節も行います。

鳥類の呼吸器は体全体に広がっているため、煙やガスを吸い込むと危険です。鳥の周辺ではガスや煙の発生を最小限に抑えましょう。

2013/12/12 Diane Grindol寄稿記事
翻訳:小林由香

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