飼い鳥のトレーニング

コース3 飼い鳥のトレーニング

1時間目 - 小型鳥の基本トレーニング

セキセイインコやオカメインコ、コザクラインコなどの小型の鳥に、合図に合わせたトレーニングをするなんて無理だと思っていませんか? 小型の鳥たちも合図を理解することができますし、そうすることで彼らとの生活がより楽しくなります。小型鳥の基本的なトレーニングを3つご紹介します。

ステップアップ

すでに手や指に乗ってもらえる状態であれば、棒やT型の止まり木などに乗ってもらえるようにトレーニングすると、ペットシッターなどに預けるときにも安心です。

木の棒にステップアップ(イメージ写真)

小型の鳥は地面に降り立った時、できるだけ高いところに行こうとする習性がありますので、床に降りたときにステップアップのトレーニングをすると効果的です。鳥が落ち着いている状態を見計らい、足の少し上、お腹の辺りに指や棒を当ててあげると自然に乗ってきます。そのときに「ステップアップ」などの声掛けをしましょう。これを何度も繰り返しながら、床からできるだけ高い位置に鳥を持ち上げます。高い=安全な場所に戻れること、これ自体が鳥にとってはご褒美になります。

お迎えしたばかりや、まだ人馴れしていない鳥で、不安や恐怖を表す仕草が見られる場合は無理にトレーニングせず、ケージの近くに座って優しく落ち着いた声で話しかけましょう。不安や恐怖を表す仕草として、羽を広げながらシューという音を出したり息を荒げたりして威嚇する、または逆に羽を体にぴったりくっつけて周りをキョロキョロ見まわしたりする行動などが挙げられます。このような行動がみられるときは噛まれやすい状態でもあります。トレーニングは飼い主と鳥の両方にとって楽しいものでなければならないので、鳥が不安を感じているときには控えましょう。恥ずかしがり屋や怖がりの鳥に対しては、まずケージの中でトレーニングを開始します。主食とは別の容器に、粟穂など鳥種に合わせたおやつを指で入れましょう。それを見せることで、「あなた」と「良いこと」が鳥の中で結びつきます。この結びつきが確立したら、ケージの外でステップアップのトレーニングを開始します。

ステップアップがうまくできないときは、落ち着いた優しい声で話かけながらおやつで誘いましょう。おやつを食べようと指や棒に乗ってきたら、すかさず「ステップアップ」と声掛けします。

ステップアップ(イメージ写真)

最初はこれを何度も繰り返し、習得できたら逆に指や止まり木から降りる「ステップダウン」や「おいで」のトレーニングへ進みます。

おいで

呼べばこっちに飛んで来たり、クリッピングしている場合でもこちらに歩いて来てくれたりすると嬉しいものです。私の場合は、万が一誤って外に出てしまうようなことがあったときに、呼び止めることができればと思い練習しています。通常であれば、誤って外に出てしまったときは鳥も焦っているので、飼い主のもとへ戻るという考えに至らないのですが、トレーニングしていれば呼びかけに応えて戻ろうとするかもしれません。もちろんそのようなことはないほうがよく、日常生活において、呼べば来てくれるという楽しさを味わうためのトレーニングです。

まず、鳥が近くにいるときにおやつを見せながら、「おいで」など掛け声をひとつ決めて行います。近い距離で行うときは、1の「ステップアップ」の声掛けを使ってもよいでしょう。私は「おいで」などの声掛けと一緒に指を前後に動かすサインも出すようにしています。声掛けやサインはなんでも構いません。呼びかけに応えてくれたら、ご褒美と誉め言葉をしっかりあげましょう。同じことを繰り返しながら徐々に距離を伸ばしていきます。

ケージに帰ろう

ケージになかなか戻ってもらえず困ることはよくあります。呼びかけに応じて戻ってもらえると助かりますよね。うちでは、ケージを軽く叩きながら「来て」と言うのがサインです。掛け声やサインは自由に決めてもらって構いません。

ケージに戻ってもらう一番のトレーニング方法は、ケージに入ったときに大好きなおやつをもらうことです。先にケージにご飯を入れておいてから「来て」と呼びかけても構いません。まず鳥をケージの上に乗せ、いつものごはんにおやつを加えた容器をケージに入れます。それを見て鳥がケージに入ろうとしたら、ケージを軽く叩きながら決めた声掛けをします。これを繰り返すと、ケージにおやつが入れられたり、決まったサインが出されたりするとケージに自分から戻ることを学んでいきます。ここで鳥の知能を見くびってはいけません。うちの子は、サインが出ているのに気づいていても、おやつが入っていなければケージには戻りません。しっかり見て分かっているのですよ!

私がオカメインコと一緒にこのトレーニングをしていたとき、おやつをあげながらまずステップアップを行い、背中と羽を優しく手で覆ってケージに連れていく練習をしました。背中に手を回されるのは鳥にとって自然な行為ではありませんので、背中に手を覆いかぶせながらおやつをあげるということを数週間繰り返しました。これに慣れてもらったことで、より落ち着いてケージに戻ってもらうことができるようになりました。

ここからさらに、掛け声を決めて、床からケージに架けたはしごを登って帰ってもらったり、指に乗せたままケージに入れて止まり木にとまってもらったりと、応用していくこともできます。

2014/1/23 Diane Grindol 執筆
翻訳:小林由香

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コメント

  • コメント ( 1 )

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  1. ステップアップ、私の手に乗ることは出来ても別の方にお世話を頼まなければならないとき、おいで棒などで出来るようにしておくと良いのですね!自分に何かあった時にも鳥さんが不安になることを少しでも減らしておいてあげることも飼い主の大切な役目だと改めて気付きました。早速練習してみます(*^^*)

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