15の「やるべきこと」

コース1 鳥と楽しく暮らすために知っておきたいこと

2時間目 - 15の「やるべきこと」

1時間目で鳥をお迎えするうえで知っておくべき「してはいけないこと」を学びました。2時間目は「やるべきこと」を紹介します。「してはいけないこと」と同様に、すべての項目を実践することは難しいかもしれませんが、少しでも理想に近づけるように学んでいきましょう。

  1. お迎えする前に、本を読むなどして飼い鳥について勉強し、自分や家庭環境にあった鳥種がどれかよく考えましょう。鳥に詳しい人達から複数の意見を聞くのもよいアイデアです。鳥を販売する立場の人よりも、純粋にみなさんと鳥との良い出会いをお手伝いしたいと思ってくれる人からのアドバイスが役立ちます。
  2. お迎えしたい鳥が見つかったら、その鳥の鳴き声の大きさが、家族も含め、自分の家庭環境に合っているか考えましょう。鳥の鳴き声や大きさは千差万別で、音に対する人の感じ方もそれぞれです。たとえば、コンゴウインコの雄叫びは窓ガラスが割れてしまうのではないかと思うくらい大きいですし、オカメインコの高い声を金切り声のように感じて嫌がる人もいます。
  3. 鳥をお迎えしたらまず、鳥を専門に診てくれる病院を探しましょう。調子が悪くなってから専門医を探し始めるようなことは絶対にしてはいけません。鳥を診てもらえる病院がすぐに見つかるとは限りませんし、カルテがない状態では急患を受け入れない病院もあるかもしれません。また、信頼関係が築けていない初めての先生に病鳥を診てもらうのは不安なものです。鳥「も」診られる病院ではなく、鳥「を」診られる病院を探しましょう。病院選びが鳥の命を左右するといっても過言ではありません。
  4. 鳥への食事は種類豊富で栄養のあるものを準備しましょう。栄養不足が原因となり、さまざまな病気に発展するケースは少なくありません。鳥種に合った最適な食事を提供しましょう。飼い鳥の食事はすべて飼い主次第です。栄養のあるものをあげても食べてくれないと鳥のせいにするのは間違いで、すぐに飼い主が諦めてしまうのが一番の問題です。食事は鳥の健康の基本となるものなので、必要に応じて獣医師にも相談しましょう。
  5. お迎えしようとしている鳥種に必要な食事内容を事前に確認しましょう。それに新鮮な野菜や果物、ナッツなども合わせて、お迎え後にかかる食費を予測することができます。
  6. 年に一度は健康診断に連れて行きましょう。鳥は病気を隠します。飼い主が症状に気づくときは、これ以上隠しきれない重篤な状態に陥っていることが多く、手遅れになる可能性が高まります。定期検診が病気の早期発見につながり、また獣医師も普段の健康状態を把握できるため、異変に気づきやすくなります。
  7. 自分より鳥が長生きする場合について考えておきましょう。親は自分に万が一のことがあったときのために、子供のことを考えるものです。寿命の長い鳥に対しても同じように考えてください。私たちの「翼を持つ子供」は、親離れをしない、親を慕い続ける存在なのです。
  8. 正の強化(ポジティブ・レインフォースメント)を取り入れましょう。ポジティブ・レインフォースメントとは、やって欲しい行動や良い行動をとったときにすぐにご褒美をあげることで、その行動を自発的に行えるようにするトレーニングです。逆に好ましくない行動をとったときは何もしません。ある行動を止めさせたいときに、罰を与えるよりも、ずっと簡単で効果的なトレーニングです。
  9. 問題行動をとり始める前に防ぐように気を配りましょう。健康と同じで、問題を抱えてから治すよりも、事前に防ぐ努力をするほうが簡単ですし、費用もかかりません。
  10. 既に問題行動がある場合も修正に努めましょう。本当に手に負えなくなるまで放置してはいけません。鳥を手放す理由に問題行動を挙げる人がいますが、もっと早く取り掛かれば修正できたかもしれないケースが多くあります。長く放置すればするほど、修正は難しくなります。
  11. 広く質の良いケージを準備しましょう。そんなこと当然だと思うかもしれませんが、残念ながらそうでもありません。鳥を買うことにお金を掛けて、ケージには掛けないという人がよくいますが、これは大きな間違いです。
  12. お世話に関する問題の解決策を考えましょう。たとえば、ケージの掃除が大変だと思う場合は、違うケージを試してみたり、ケージの底に敷く物を変えてみたりして工夫しましょう。経験豊富な鳥飼い仲間に相談するのもひとつです。
  13. 鳥に関して学び続けましょう。知っているつもりでも、実はよく理解できていないことはたくさんあります。学びにもう十分という到達点はありません。鳥と45年間暮らし、鳥の専門家として40年間働いていても、まだまだ学ばなければならないことがあります。
  14. 鳥と人間では、動機付けとなるものが違うことを理解しましょう。鳥の行動を人間に置き換えて理解することはできません。同じ言葉を話す人間同士でも、誤解が原因で問題に発展することがよくあります。それが人間と鳥の間となればなおさらです。たとえばよくある誤解で、鳥が大声で鳴くときは怒っていると思われていますが、実は逆で嬉しいときに大声を出すことが多いのです。
  15. 心を開いて、鳥という大きな魅力に満ちた生き物との生活を体験してください。消えゆく森の記憶と羽を持った、人類や哺乳類とは全く違う生き物との暮らし。大きな心で受け止め、理解していくことで、鳥との暮らしは素晴らしいものとなり、日々新しい発見と出会えます。

2013/1/10 Liz Wilson, CVT, Parrot Behavior Consultant寄稿記事
翻訳:小林由香

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Photo by Bianca Ackermann on Unsplash

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