2時間目 獣医師を困らす飼い主の行為 ①

知らず知らずのうちに、獣医師を困らすようなことをしていませんか?鳥専門医の方々と20年に渡り仕事をしてきた中で、実際に経験した飼い主さんの困った行動を取り上げます。

1. 留守電に質問を残して、緊急事態でもないのに、5分以内に折り返してくれることを期待する

日中、獣医師は病鳥のお世話や飼い主の対応に掛かりっきりになることが多く、留守電を聞けるのは夕方以降になることがほとんどです。何か気になることがあるときは、留守電を残すのではなく、予約を取って実際に診てもらいましょう。

2. 毛引きしている!と大騒ぎで電話する一方、元気がない日が一週間続いても受診しない。

毛引きに気づいて焦る気持ちはわかります。毛引きも鳥専門医に診てもらう必要がありますが、生きるか死ぬかの緊急事態ではりません。一方、一週間も元気がない状態は緊急事態です。すぐに専門医を受診しましょう。

3. 夜になって獣医師から折り返し電話があると、要件と関係ないことを延々と話して獣医師を長時間拘束する。

夜になってやっと掛かってくるということは、その日は大忙しで、獣医師は疲れ切っている可能性が高いです。色々聞きたくなる気持ちは分かりますが、節度を持って質問しましょう。獣医師にも休息が必要です。

4. 「治ってきたから……」、「嫌がって飲まないから……」と、獣医師の指示を仰がず、処方された薬を途中で止める。

獣医師に相談せず、飼い主の一存で投薬を止めてはいけません。たとえば、抗生物質を早く切り上げてしまうと、菌が薬に耐性を持ち、病気が再発するだけでなく、さらに悪化する可能性があります。ほかにも、ステロイド性抗炎症薬などは、急に使用を止めると大変危険です。薬は処方されたとおりの期間と頻度で与えることがとても大切です。

5. 獣医師から精密検査を勧められた際、費用面の不安をその場では言わず、会計時に待合室に聞こえるような大きな声で受付にクレームを言う。

検査費用が心配な場合は獣医師に伝えましょう。何も言わなければ、獣医師は検査を進めて良いと思うかもしれません。いずれにしても、受付で文句を言うのは筋違いです。

6. 「ネットで誰かが書いていたから」、「ペットショップで誰かが言っていたから」という理由で、獣医師の指示に従わない。

ネット上に溢れる間違った情報を皮肉って、インターネットは情報ハイウェイではなく、誤情報ハイウェイだと呼ぶ人もいます。知識がなくても、ネット上では誰でもプロフェッショナルを装えます。もちろん読み手に知識があれば、ネットから素晴らしい情報を得ることもできますが、知識がなければその情報が正しいかどうか判断することが難しいです。鳥を飼って間もない方は、鳥専門医が推奨するウェブサイトだけを見るようにしてください。ペットショップの店員であれば知識豊富なはず、というのも残念ながら間違いです。店員のほとんどは鳥に対する正しい情報を持っていません。スーパーの店員全員が、店頭商品に対する正しい知識を持っているわけではないのと同じです。

顔が見えないネット上の情報や、ショップの店員ではなく、鳥専門医を信頼してください。鳥専門医は鳥について学び、実際に鳥を診て、そしてその鳥の病歴も理解して、これまでの検査結果も把握しています(飼い主がすべて伝えて、検査も許可していれば)。ネットで書いている人やショップの店員はみなさんの鳥を把握していません。今、診てもらっている獣医師が信頼できないと感じる場合は、他の獣医師も当たってみましょう。

続きはプレミアム記事でお楽しみください。

(2012/6/10 Liz Wilson CVT, Parrot Behavior Consultant寄稿記事)
翻訳:小林由香

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