パム・クラーク
鳥の行動コンサルタント
一緒に暮らしている鳥さんのボディーランゲージを理解できていますか?正しく理解できるようになれば、鳥さんとさらに良い関係を築けるようになります。鳥たちにとってボディーランゲージは自分の意思をみなさんに伝える唯一の方法です。「また噛まれた!」とSNSにアップし続ける人は、鳥たちが発するサインを無視し続けているのかもしれません。
複雑な鳥のボディーランゲージ
鳥のボディーランゲージを理解するにはテクニックが要ります。たとえば犬の場合、個体差はあれイヌ科というひとつの種なので、噛みつきそうだと判断することは獣医師にとってそう難しくありません。一方、鳥類は分類も多岐に渡るうえ、原産地もさまざま、群れの様式もそれぞれ異なります。彼らのコミュニケーションはこういったバックグラウンドも影響します。
たとえば、アメリカ大陸原産の鳥のボディーランゲージは比較的明瞭で分かりやすい傾向があります。ボウシインコを例に挙げると、噛んできそうなときは、尾を広げて頭の羽を少し逆立て、目を吊り上げます。とても分かりやすいサインです。この種の鳥は、同じ地域の中で比較的小さな群れが共存する環境で暮らしています。たとえば、1ヘクタールの範囲内にキソデボウシインコとアケボノインコの群れが共存しているという感じです。そのような環境では、互いに分かりやすいサイン出すことで平和に共存できるのです。
この逆の例がヨウムです。彼らは通常、ヨウムだけの非常に大きな群れで暮らしています。その中ではちょっとしたサインだけで仲間内のコミュニケーションは用足ります。そのためヨウムの警告サインは、目の表情や肩や首の後ろの羽を少し逆立てるだけの微かなものになっているのです。
ボディーランゲージを理解できるようになると、噛まれることを回避できるだけでなく、他の問題解決の糸口にもなります。たとえば、
- トレーニングに乗り気かどうか分かる
- 体調が悪いときのサインが分かる
- リラックスできる環境が何か分かる
- 噛まれるような状況を避けることができる
- お互いの信頼性が高まる
- 寒いと感じているとき、暑いと感じているときが分かる
- 攻撃されるかもしれない状況が分かる
- 発情を促すような接し方を避けられる
- 鳥が恐怖を感じるような行為をしなくなる
- フンをしそうなときが分かる
- 行動が問題化するまえに、何が原因でその行動になっているのかが分かる
鳥のボディーランゲージを網羅する情報はネット上にもほとんどありません。ここでは、わたしの長年の経験と知識から、自信を持ってお伝えできるボディーランゲージの意味をお届けします。
ポジティブなサイン
まずはシンプルで分かりやすいものから。みなさんも目にすることが多いと思いますが、尾っぽを左右に振る動きです。これは「楽しい」を表す行動で、挨拶や、次への行動に対して準備できているよ、というサインです。ほかに挨拶を表すものとして、羽と足を伸ばすいわゆる「スサー」や、両肩を軽く上げ下げする動きがあります。ともに機嫌が良いことを示すサインです。
続きはPart 2(プレミアム記事)でお楽しみください。
Pamela Clark, 2018.4.24
翻訳:小林由香
Pam Clark氏より当該記事の翻訳及び掲載許可を得て掲載しております。
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Cover Photo by David Vives on Unsplash
コメント
コメント ( 2 )
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すごく興味深いお話しですね!わかりやすくしなくても、お互い同じ種ならばわかる、なんですね!鳥たちと暮らし始めて以来ずっと、「言わずとも気持ちのわかるヤツ」を目指していますが、ヨウムさんのわかりにくさはそこから来ているのですね!はぁー、まだまだ道のりは遠いです(^_^;
私も、群れの大きさとか、他の鳥種の群れとの高さとかでコミュニケーションの表現方法が変わるというのはとても興味深いと思いました!