翻訳後記 12 – 羽毛損傷行動

翻訳後記 12 – 羽毛損傷行動

記念すべき特集一回目の動画字幕を担当させていただきました。

これから3ヶ月にわたって沢山の専門家の方々の記事が読めるので本当に楽しみです。私もこの字幕のほかに数本翻訳を担当させていただきました。どれもとても中身の濃い、勉強になる内容ばかりなので、多くの皆さまに読んでいただければいいなと思っています。

字幕について

鳥とは外れますが、字幕についての雑学を少し。

皆さん映画の字幕を見て、あれ?ずいぶん省略しているなあとか、英語ではこんなこと言っていないんじゃないのかなあと思われたことがあるかもしれません。

そう思われる方は間違っていなくて、実はその通りなんです。字幕は元の言語と比べて大きく省略したり、意訳していることが多いです。

それはなぜかというと、日本語字幕には1秒4文字ルールというものがあります。

オリジナル音声の1秒あたり日本語は4文字しかつけてはいけないというものです。つまり、主役が発したセリフが時間にして5秒あったとすると、5秒x4文字、日本語の字幕翻訳は20文字でつけないといけないのです^^;

これは人間が一目で読める字数に限りがあるという点と、映画は何よりも映像を見なければいけませんので、字幕が多すぎると読むのに一生懸命になって映像をちゃんと見れなくなってしまうことを避ける意味があります。

これってとても難しくて、たとえば役柄によってとても早口の人もいれば、ゆっくり喋る人もいます。早口のセリフであれば短い秒数に沢山の言葉が入ってきますが、日本語字幕はあくまでも秒数に対して4文字です。

なので、沢山の内容をしゃべっているのに、日本語では短い文字数で伝えないといけないケースが多々出てきます。

そしてそれをいかに上手く、短い言葉でオリジナルのセリフの内容を伝えられるかというのが、字幕翻訳者の腕の見せ所になります。戸田奈津子さんとかはそれがものすごくうまい、まさに職人さんなのです。

でも一般の皆さんは1秒4文字ルールなんて知らないので、沢山喋ってるのにやけに字幕が少ないなあという印象を受けたりします。

でもこれも近年では少し考え方が変わってきました。Youtubeなどで字幕が誰でもつけられるようになり、このルールを知らない人たちがどんどん字幕をつけるようになってきました。そしてそれを見て育った人たちは沢山の字幕を一気に読めたり、沢山読みながらも映像もちゃんと見れるようになるので、必ずしも4文字である必要はないのではという議論があります。実際に実験をしたら6文字くらいがちょうど良いというデータが出た論文も出ています。

字幕には他にも、句読点をつけない、英数字の後のスペースは半角、などなど細かいルールが色々ありますよ^ ^
今度字幕で映画を見る機会があったらちょっと気にしてみてみてくださいね^ ^

今回の字幕も基本的に1秒4文字ルールで作りましたが、正直、もうすこし文字を足しても良いかなと思う箇所が結構ありました。たとえば「羽毛損傷行動」はこれだけでも6文字食ってしまうので、「毛引き」にすることで3文字にして訳しましたが、実際のところ「羽毛損傷行動」には毛引き、毛噛み、自噛も含まれます。

内容をしっかりお伝えするには、ルールに囚われずに臨機応変にするのも必要だなと思い、きちんとお伝えすべき箇所は1秒4文字以上を使って字幕を当てたところも多かったのですが、毛引きのところも羽毛損傷行動とすべきだったかなとちょっと反省しておりますm(__)m

うちの子の毛引き

話しを鳥に戻しまして、写真の毛引きしている鳥はうちのウロコちゃんです。。。

実は先月お友達のインコちゃんを一週間ほどお預かりしたのですが、とても警戒心が強く臆病で甘えたさんのこの子は、お預かり中、呼び鳴きが止まらなくなり、精神的にとても不安定になってしまいました。

そして一週間が経つ頃、水浴び後にふと見ると、このように毛引きしてしまっていたのです。

今はもう抜いていないと思われ、これ以上範囲が広がったりはしていないのですが、環境の変化がストレスになったのかな。。と考えています。

でもうちには他に小桜とセキセイが1羽ずついるのですが、その子達は何も異変がありませんでした。

なのでその子その子の性格によって何をストレスに感じるのかが違うんだなと改めて思いました。

うちのウロコちゃんのケースは割と原因が特定しやすかったのですが(と私が思っているだけで本当にそれが原因かは確定できてませんが)、そうでないケースも沢山ありますよね。

実は小桜もたまーに羽を抜いてまして、肌が見えるほどは抜かないのですが、週に何回かは抜かれた羽根を掃除の時に見つけます。

この子に至っては、正直何が原因なのかわかりかねる状態です。先生には診てもらって、身体的疾患がないのはわかっているので、そのほかに原因があるんだと思います。

そのヒントを今回の特集で何か得られたら良いなと思っています('∀'*)

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コメント

  • コメント ( 4 )

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  1. yucakyさん、毎度のことですが、お疲れさまです。実はまだ私、こちらの動画は見ていないのですが。。。字幕っていろいろな制限や決まりがあるのですね!正直、私は英語が全くと言っていいほどわからないので、耳からの情報はスルーしているんですね(^o^;なので、yucakyさんが書いておられるような「あれ?」は無いのですが、字幕に日本のことわざなどが出てくると、多分英語のことわざ?を意味の近い日本のことわざに置き換えているのだろうな、字幕作る人は物知りじゃなくちゃ出来ないなーと思ったりします。後は、外国の作家さんの小説などは翻訳する人の技術やセンスで、かなり変わる気がしてます。改めて、どんなお仕事も大変だし、だからこそ楽しくやり甲斐もあるのかなーと思いました。
    このお休み中に、時間がとれたら動画、見ますね(*^^*)このブログよんでからだから、いろいろなこと気になりそうです。

  2. まあくさん
    いつもコメントありがとうございます^ – ^

    翻訳はやればやるほど、日本語のセンスを磨く必要性に駆られます。訳してからも何度も日本語を修正するのですが、読み直すたびに修正したくなるし、リリースしてからももっとこうすればよかったと反省ばかりしてます(~_~;)

    サロンの記事は正しく情報をお伝えするのは当然ながら、それ以外もみなさんの心にしっかり残って訴えられる文章を作る必要があるので、まだまだ精進する余地がたくさんありますが、頑張ります!

  3. yucakyさん

    字幕の解説ありがとうございます!
    プロのyucakyさんから見たら私の字幕や翻訳はかなり素人レベルだと思います(汗)
    ですからこうして翻訳でご協力頂けている事に感謝♪
    私も色々学ばせてもらっています。いつもありがとうございます。

    セミナーの動画も誤字脱字、文字数が多くて見づらかったり皆さんにご迷惑をお掛けしているだろうな~と思いつつも、「何もしないよりも行動することに意義がある!」と思ってやっています。

    本当は毎回お見せするのが恥ずかしいんですが・・・。

    「鳥さんを愛する人たちは優しい人ばかり♪」

    と思って皆さんの優しさに甘えております(笑)

    ご友人の鳥さんをお預かりした時の毛引きの話のシェア、ありがとうございます。
    たった1週間でも毛引きにつながることがあるんですね。環境の変化って大きいですね。(yucakyさんのおっしゃる通り、本当の原因は特定できませんが・・・)

    お家に戻ったら毛引きは一切しなくなったのか気になる所です。

  4. WYさん
    仁美さんがつけている字幕に関して、私は全く問題を感じないし、逆に気付かされることが沢山あります。サロンで情報を集めたい方にとっては、スピーカーが話していることを漏れなく聞きたいはずなので文字数に囚われず全てをお届けする方が良いなと感じています。

    ネットで繰り返し見ることができる動画については、字幕の情報量が多くて一度で完全に理解できなくても、見直して理解を深めることができるし、サロンの動画に関してはそうすべきかなと思っています。なので今回もベースは4文字計算にしつつも、それより沢山使っているところも結構あります(^ ^)

    うちのウロコちゃんの毛引きですが、お友達が帰ってからも数日間は抜いていましたが、その後は抜くこともなく、今ツクツクが出てきたのでもうすぐ生え揃うと思います^ ^

    この子のように一過性のもので、原因もだいたいわかる場合は対処がしやすいのですが、多くの毛引きは複数の要素が絡み合っているのでしょうね。

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