いつもありがとうございます。鳥爺です。
「羽根太の方針」を実現するために、広大な施設、豊富な資金があれば、初期段階での苦労はいりません。
重要なことは、どんな理念で何をどう行うかということだと思います。
そのことを今回公言しましたので、できるだけ多くの人や組織、そして行政機関に知って欲しいのです。
甘い考えのように思えるかもしれませんが、きっとそこに活路が見出せるはずです。
その活路を見出すために、次にお話したいことが(4)です。
(4)は「CITES I類の鳥の中間施設建設と繁殖と野生復帰」についてです。
あなたはCITES I類の鳥というと、どんな鳥種を思い浮かべますか?
いろいろな鳥種がいますが、よく知られている鳥種を書き出してみます。
・ヨウム
・コバタン
・コキサカオウム
・オオバタン
・キエリボウシインコ
・オオキボウシインコ
・コンゴウインコ
・スミレコンゴウインコ
など。
もちろんもっとたくさんの鳥種がいますが、ここでは割愛させていただきます。
これらの鳥種は環境省の登録票がないとお世話することができません。
(詳しくは下記「自然環境研究センター」のサイトをご覧くださいね)
・自然環境研究センター
実は最近、ペットショップや、大学や動物園に、CITES I類の鳥を飼っている飼い主さんから引き取ってほしい、という依頼が増えているそうです。
もちろんTSUBASAも引き取っています。TSUBASAでは新しい里親さんを探すために、「MTB」という里親会を定期的に開催しています。
人のことが大好きな鳥であれば、できるだけ人間のそばに、もし人よりも鳥同士のほうがいい場合は、仲の良い鳥と一緒にお迎えしていただける人を根気よく待ちます。
想像できると思いますが、CITES I類の鳥に限らず人が好きな鳥は里親さんが比較的早く見つかります。
しかし人よりも鳥が好きな鳥は、なかなか里親さんが見つかりません。
また小さい鳥より大きい鳥になればなるほど困難です。
そんな状況でもTSUBASAでは根気よくご縁があるまで待ちます。
しかし ペットショップや、大学や動物園はどうしているのでしょうか?
なんとなく想像はできます。
ペットショップは再販売する。
動物園は展示する。
大学は、、、よくわかりません。
大事なことなので想像だけではよくないと思います。もしどなたか知っている人があれば教えていただけたらありがたいです。
そして一緒に考えてほしい重要なことがあります。
CITES I類の鳥は、当然のことながら原産地で激減、もしくは絶滅している鳥種です。
しかし、繁殖することで数が増えている鳥種も多くいます。
CITES I類のルールに基づいて繁殖された鳥は、登録票さえあれば商取引ができます。
つまり売買ができます。
原産地では激減(もしくは絶滅)しているのに、繁殖をして利益を得ている人たちがいるのです。
現地で捕獲し、違法に輸出しているのではないから問題ない、と言われるかもしれません。
たしかに問題はないかもしれませんが、その輸入大国が日本なのです。
欲しい人がいるから売買は成立します。
しかし原産地の鳥が激減していることを、私たちはどう考えればいいのでしょうか。
(つづく)
(画像はドイツのバードパークにて)
コメント
コメント ( 5 )
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そうなんです・・日本は輸入大国なんです。
手放される鳥も多いですから、もうこれ以上野生から捕獲してくる必要ないじゃん!と思いますが、需要があるから・・・なんですね。
行政に働きかける事も視野にいれていかないといけないですね。
ヨウムについては、TSUBASAシンポジウムでの西原智昭さんによる講演で色々知ることが出来ました。繁殖個体だから野生のヨウムの個体数に無関係なわけではなく、繁殖が上手くいくためには野生の若いメスが必要とされていること、その若いメスを得るためにそれ以外のオスや若くない個体も乱獲され、その多くがストレスで命を落とし、生き残っても必要な個体以外は食用にされてしまうこと、などなど。
自分もショップからヨウムさんをお迎えしたので偉そうなことは言えませんが、今、様々な理由でTSUBASAやペットショップなどに引き取られるコがいるならば、そのコ達を里子としてお迎えするのが第一の選択肢になっていけば一番なのかと考えます。例えは悪いけど、今、町中では新築物件はすぐに売れるのに中古住宅は買い手が付かずいつまでも空き家であったり、日本人はまっさらな状態を好むのかな?けれど鳥さんには心があり、個性があるのだからまっさらな、雛や幼鳥でお迎えしたからといって必ずしも自分の望むように育つとは限らない、逆に人が苦手なコも変わっていけるかもしれないし、そもそもそのコの個性を尊重するような関係性を作れば良いと、私たち人間が考えを変えていくべきなのだと考えます。そのためにはTSUBASAでの啓発活動のようなことが、ペットショップなどでもどんどん行われるべき、ショップのスタッフが「雛のうちから育てた方がベタなれになる」などと言っていてはいけないのだと思います。今現在、ショップなどで販売されているコは、人に飼われ、幸せになるために生まれてきたコたち、そのコ達をお迎えすることは全く否定しません。ただ、時間はかかっても人々の意識が変わっていけば繁殖のための乱獲も、なかなか里親さんが見つからないコも、減っていくんじゃないかと思うのです。偉そうに、本当にすみません。
原産地では、鳥を捕獲して販売しないと生活できない人がおり、そして、購入する人がいるので、禁止していないのではないかと思います。輸入大国が日本であるならば、輸入されて不幸になってしまった鳥を救うのは日本の義務ではないかと思います。
難しいですね。自然の恵みをもらったら自然に何か還元する。それで自然と共存していく。昔は当たり前だったことが今は失われているのでしょうか。鳥に限らずに絶滅危惧種を飼おうとする欲求は多分飼育したい、一緒に暮らしではないのではないのでしょうか。希少種のステータスとその生物の能力、容姿の特殊性など、興味がなくなれば飽きるでしょうね。飽きって放って置かれれば生き物は死にます。またメディアで取上げられれば興味が戻り購入する。生き物を飼いたがる人は万人ではありませんし、またその中でエキゾの様な特定の生き物に興味を持つ人もさらに限られた人ではないかと思います。その特定の人々によって野生動物は消費されていく。その最大の輸入国が日本なのがとても悲しいです。私も反省と後悔の念でしばらくの時間脱力した事があります。
ホシガメがサイテスⅠ類に入った時です。昔から爬虫類を扱っているところならホームセンターなどでも売られている綺麗な模様のリクガメで何時でも必ず置いている亀と認識していた自分の愚かさと無知さを突きつけられ、その亀たちの命が頭に無かった罪の大きさに自分の存在は誤りだとさえ思いました。最近では現地の保護活動などの情報に目を向け継続的に募金も行なっています。ある電動バイクの話ですがそのバイクの価格は通常のバイクの2台分の価格が付けられています。このバイクは騒音性が極めて低く密猟者に気づかれずに近ずけると保護区のレンジャーで多数使用されていて、メーカはレンジャー支援の為にこのバイクが購入されると1台をメーカから保護区のレンジャーに送るシステムになっています。希少種の動物の売買もこの様な仕組みにすれば取扱う業者も、購入する人間も本気の人に絞る事が出来るし、保護センターや現地の国の施設、住民などに金額の一部が還元されてQOLが上がれば、恩恵を受けられる自分たちの自然に対しての意識の改革の始まりに繋がって密猟も違法取引も減っていくのではないでしょうか。長文になりましがすいません。また他の方のお考えもお伺いしたく思っています。
皆さんのコメントを拝見し、根が深い問題だと改めて実感しました。特にこの問題は業界の色々な方面の方々の協力無くしては解決できないですよね。
まあくさんのおっしゃる通り、TSUBASAで行われている様な啓発活動がペットショップで行われるようになったら大きく変わるでしょうね。けど結局それはまだ誰も行っていないと思うんです。そこを何とかしようと鳥爺は考えていると推測しています(笑)
kiki2008さんの「原産地では鳥を捕獲して販売しないと生活できない人がいる」というのも事実です。第1回WING YOUセミナーでジュロンバードのジェシカ・リー博士に東南アジアの密猟について講演してもらいましたが、密猟者を協力者にし、彼らの生活のサポートをしているプロジェクトがあります。ロロパークも世界各国で同様のプロジェクトを行っています。少しづつですが、野生の鳥を捕獲しなくてもいい状況が増えて行くといいですね。そういうプロジェクトをWYは応援したいと思っています。
Lucyさんは実際に保護活動をサポートされているんですね。私たちが出来る事は間接的なサポートだけかもしれませんが、このサポートが改革に繋がると思います。
私の場合、鳥の事を知れば知るほど、野生の鳥の状況や手放されたり虐待を受けた鳥、鳥の問題行動やストレスの話など聞けば聞くほど、私には鳥は飼えないという考えに至りました。そういう意味で、コンパニオンバードと一緒に暮らす飼い主さんたちは純粋に凄いな~って思うのです。
ですが、この業界に身を置く一人として何か行動したいと思っています。このオンラインサロンを始めたのもその想いからです。鳥爺と一緒に、また、Lucyさんや他のメンバーさんと一緒に「人と鳥と社会の幸せのため」に行動して行ければいいなと思っています。