南半球の鳥類の求愛と繁殖

Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター


アメリカやヨーロッパの緯度では、どの種の鳥もその地域の季節的な条件に合わせて繁殖することができます。これは日照時間の増減に伴う気温の変化に一致しています。しかし、南半球原産の鳥が、北半球の秋から冬の期間に繁殖するという本能的な現実もあります。ロロ・パークの新展示「OCEANIA(オセアニア)」では、セキセイインコが熱烈な求愛行動を始めました。 彼らが飛翔する姿や群れをまとめる様子を広いスペースで見ることができるため、来場者の興味を最も引くショーとなっています。

最も印象的なのは、メスが、大きく、とりわけ精力的な行動で目立つ特定のオスを好むことです。セキセイインコは世界で5本の指に入る人気のペットです。基本的な食事要求が少なく人間と共存できる柔軟性から、家庭でよく飼われています。鳥の習性を学びたい人にとって、彼らは特別な主役です。 小型であるため、さまざまな条件によく適応し、条件が良ければ非常に多産になります。  そのため、他のオーストラリア産インコ種と一緒の展示で、その小さなサイズにもかかわらず魅力的に映るのでしょう。

子供たちはセキセイインコにすぐ気づきますし、セキセイインコは恥ずかしがり屋でないため、子供たちの好奇のまなざしを気にすることなく、近くで見られるように振る舞います。この新しい展示では、この種の巣の探し方が印象的で、他の大型種が生木に穴を開けることができないような場所でも、躊躇なく穴を開けるところが見られます。  セキセイインコの繁殖能力はあらゆる面で驚くべきもので、私たちは今ではそれを生で見ることができます。

ロロ・パーク財団の熱帯の鳥たちも繁殖期を終えつつあり、今年のエリマキボウシインコの成果は目覚ましく、11羽が誕生し、そのほとんどが巣立ちを迎えています。 この種はジャマイカ原産で、ジャングルやマングローブ林の典型的な種ですが、その環境悪化により絶滅の危機に瀕しています。

この種は人間の飼育下ではほとんど知られておらず、安定した繁殖が実現することは稀です。他のカリブ海の種と同様、その攻撃性が繁殖における問題の一つで、環境の変化に特に敏感です。これらの個体を繁殖させることで、この種の管理プロトコルを最適化し、セーフティネットを拡大することが可能となります。現在、この種の分布は非常に狭い地域に集中しており、密猟や外来種の圧力、さらに地球温暖化による干ばつの脅威に常にさらされています。これまで以上に、認定動物園や繁殖センターの活動は種の保存に不可欠です。

©2023 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局

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