セキセイインコとオカメインコ -自分に合うのは?

コース6 セキセイインコ特集
2時間目 セキセイインコとオカメインコ -自分に合うのは?

セキセイインコとオカメインコは、コンパニオンバードとして常に一二を争う人気者です。これまでセキセイインコが長くトップを占めていましたが、最近ではオカメインコの人気が高まっています。お迎えするならどちらが自分に向いているの? と迷っている方のために類似点と相違点を解説します。

類似点

セキセイインコとオカメインコの嘴は種子を主食にしている鳥の特徴である鉤型をしています。共にオーストラリア内陸部の乾燥地帯に群れで暮らし、木の穴で卵を産んで育てます。オーストラリアにはほかにも様々な種類の鳥が暮らしており、飼い鳥としても人気の鳥種が多い地域です。

砂漠での生活に適応しているため、過酷な状況下でも生き延びられることが、飼い鳥として広がった理由のひとつでもあります。栄養豊富な食事と野菜、新鮮な水と愛情があれば元気に育つのは無論のこと、シードオンリーの食事や適切でない飼育環境に置かれても、そしてあってはなりませんがネグレクト状態にされても生き延びることができたためです。

セキセイインコとオカメインコは、19世紀にジョン・グールドによりイギリスをはじめとするヨーロッパ各国に持ち込まれました。当時、野生動物のコレクションが流行っていたこともあり、ペットとして定着します。それ以降、人の手により多くの色変わりが作られました。

野生のオカメインコは全体的に灰色の羽で覆われており、赤いチークパッチと羽に白い模様があります。ペットとして繁殖されたものにはパイドやルチノー、薄茶色、グレーと色変わりが存在します。セキセイインコの野生種は、体は緑、顔回りの羽は黄色です。セキセイインコにも非常に多くの色変わりが作られていますが、人気は野生種の色や青と白の組み合わせ種です。羽の模様も多種多様ですが、色変わりは色が違うだけで、その他は野生種と大きく変わりません。

人気の理由のひとつに、人によく慣れることが挙げられます。共に好奇心が強く、トレーニングすれば色々なことを覚えます。セキセイインコは子供向きのペットと言われがちですが、大人にとってもよいコンパニオンバードになります。オカメインコも人間の良きパートナーになります。

共に、オスのほうが言葉を良く覚えます。環境への順応も早く、アパートで飼っても部屋の中だけで十分に放鳥を楽しめます。良く喋りますが声は小さめ、また夜も静かなので、近所迷惑になることも滅多にありません。

相違点

個体によって性格は様々ですが、一般的にオカメインコはより大人しく温厚です。一日の殆どを止まり木でくつろいだり、羽繕いに費やします。オカメインコはオウム科に属しているため、他のオウム同様、朝と夕方によく鳴きます。一方、セキセイインコは良く動き、遊びも大好き、とてもお喋りです。パラキートとも呼ばれ、長い尾っぽにスラリとした体で世界中に仲間がいます。ワカケホンセイインコ、カロライナインコ(アメリカで絶滅)、オキナインコもパラキートの仲間です。

顕著な違いは体の大きさです。標準的なオカメインコの体長は尾羽を入れて30~35 cm、セキセイインコは12~15 cmです。ジャンボセキセイの場合は25~30 cmほどになるので、小柄なオカメインコくらいの大きさになる子もいます。ジャンボセキセイは元々、品評会用にイギリスで作られた品種です。遺伝子的にはセキセイインコと全く同じですが、人為的にサイズの大きいセキセイインコを選んで繁殖しています。

自分に合うのは?

体の大きさで決めるのもひとつです。オカメインコを飼う場合はより大きなケージが必要になります。またどういった関わり合いを求めるかも一つの要素になります。セキセイインコはトレーニングを一緒に楽しむのに向いています。お喋りを楽しんだり、後を飛んでついて来てくれたり、アクティブな関わり合いを求める方にお勧めです。雛から育てれば手乗りにもなりますが、セキセイインコは触られることが苦手な子も多く、べったりとした関係性はあまり求められません。一方、オカメインコは冠羽の後ろや耳回りをカキカキしてもらうのが大好きで直接的な触れ合いを楽しめます。

そして寿命も考慮すべき点です。体の大きさは寿命に比例します。セキセイインコの平均寿命は10~15年、オカメインコは15~20年、それ以上になる場合もあります。中には事故や病気で寿命を全うできないケースもありますが、平均寿命を大きく超えて生きる子達もいます。

色々とご紹介してきましたが、一番の共通点は、セキセイインコもオカメインコも、出会えてよかったと思える愛すべきコンパニオンバードであるということです!

(2013/6/13 Diane Grindol 寄稿記事)
翻訳:小林由香

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Cover Photo by Johannes Giez on Unsplash

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