DJ奮闘記「1回目のフワタリ、、!?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

電話は9時ぴったりでした。

電話の相手はディスコがある地元の信用金庫さんです。

「フワタリが出ました」

と、聞こえたような気がしましたが、念のためにもう聞き返しました。

「えっ? もう一度お願いします」

「フワタリです。フワタリが出ました」

 聞き間違いではなかった。

「フワタリって、手形の不渡りですか?」と

 「そうです。本日、手形が決済できませんでした」と言われました。

手形、、、?? 手形なんて発行していないはず、、、!?

信じられません。

さらに不渡り、と聞いて「倒産」という文字が浮かびました。

 とにかく真意を確認しなくてはなりません。

「これから、行きます」

 と言って、昨夜5時間かけて帰ってきましたが、すぐ戻ることにしました。

さすがにこういうときは寝不足でも運転中眠くなりません。それくらいの衝撃が走りました。

私が小学生の頃です。父が営んでいた塗装業で、報酬としていただいた約100万円の手形が期日に換金できなくて、たいへんな目に遭ったことを覚えています。

当時の100万円ですから、いまだと300万円くらいの価値があったと思います。

そのため私はロムテックを経営するときは、絶対手形は発行しない、手形はできるだけもらわないと決めました。仮にもらっても心配なときは、利息を払ってでも早めに換金する、ことを心に誓っていました。

当然、ディスコ経営についても、最初に聞いたのが「手形」のことです。「手形はない」ということだったので、その心配はしていませんでした。その手形があった、しかも不渡りとは、、、。

都内が渋滞していた関係で、6時間かけて信用金庫にようやく到着しました。信用金庫側も待ち構えていたようで、すぐ支店長室に通されました。そして支店長が直々に話をしてくれました。

「今回は1日目ですが、2回目の不渡りが出たら終わりです」

 「終わり、ってどうことですか?」と聞きました。

不渡りは1回目はセーフですが、半年以内に2回目を出してしまうと、金融機関との取引が停止されます。その場合は倒産ですね。

 代表取締役に就任した翌日に1回目の不渡り。シャレにもならないです。

2回目の可能性があるのか、ないのか、ここはとても重要です。

早速関係者に対し何度もヒアリングをしました。そして「もう手形や小切手は絶対無い」、ということを確認しました。

不渡りを2回出さなければいいのです。

絶対出してはなりません。

そう、資金繰りのために手形を発行しなけばいいのだから、自分に言い聞かせました。

それから1週間は何もなく過ごしてきました。このまま半年以上何もなければと思いました。しかし不渡りのことをすっかり忘れていたとき、またしても9時きっかりに電話がかかってきたのです。9時きっかりの電話には、1回目の不渡り以来、敏感になっていました。

嫌な予感がしました。

 恐る恐る電話に出ると、信用金庫さんではありませんでした。電話の主は、帝国データーバンクという会社の名前を名乗っていました。

帝国データーバンク、、、??

どこかで聞いたことがある会社ですが、すぐ思い出せませんでした。ロムテックが関係している半導体関連の会社ではなさそうです。ところで帝国データーバンクから、いったい何の用事でしょうか?

(つづく)

今日も素敵な週末になりますように(^o^)/

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