オウムのためのスペース・競争・インセンティブ

ラファエル・サモラ・パドロン
ロロパーク財団 科学ディレクター

コンゴウインコは成鳥になるまで何年も運動を続ける必要があります。彼らが活発に動き、持っている自然な行動能力を十分に発揮できるかどうかは、飼育者次第です。さまざまなエンリッチメント(環境刺激)を用意してあげることは、鳥たちの活動意欲を引き出すために欠かせません。さらに、異なる種同士がそれぞれ異なる目的で競い合うことで、その活動はより刺激的なものになります。

コンゴウインコの成長初期には、飛翔が健康維持にとって重要な役割を果たします。将来的に十分な筋力をつけるためには、単に止まり木から止まり木へ移動するだけでなく、「目標を達成するための飛翔」が必要です。

私たちはこれまでにも繰り返しお伝えしてきましたが、さまざまな質感の木材はコンゴウインコを惹きつける魅力的な素材です。若鳥のうちから、彼らは木材を使ってくちばしや爪を鍛えます。どの木材により強い興味を示すかを見極めることは、刺激を定期的に更新し、効果を持続させるための重要なポイントです。

ヤシの木の幹は特に、季節によってコンゴウインコたちの強い関心を引きます。幹を壊したり、掘ったり、場所を守るために争ったりと、何時間も夢中になることがあります。こうした行動はオウム類特有のもので、若鳥の時期にこのようなエンリッチメントに触れてきた個体と、触れてこなかった個体とでは、成鳥になったときの新しい素材への反応が大きく異なります。

ヤシの幹をめぐる相互作用や競争は、自然界では毎年の繁殖期に見られる光景です。野生では、大木の幹にできた穴をめぐって多くの種が競い合いますが、人間の活動によって生息地が変化した場所では、大木が伐採されやすいため、こうした穴が不足しています。

3~4歳未満の若いコンゴウインコは、機会があればヤシの幹を壊し、さまざまな高さに穴を開けるために何時間も費やします。その過程で、昆虫を食べたり、植物の一部を砕いて少量を口にする様子も見られます。

種や個体間での競争は特に興味深く、幹のどの部分に穴を開けるかについて好みがあります。ある種は樹皮の部分を中心に作業しますが、例えばルリコンゴウインコ(Ara ararauna)のような種は、幹の最上部から中心部分を掘ることを好みます。こうした行動は、種ごとの特徴を際立たせ、個体が独自の性質を育むプロセスでもあります。この“個性”は、彼らが将来つがいを形成して繁殖を始める際に、大きな強みとなるでしょう。

©2025 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局

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