ロロ・パークで初めて繁殖された種

Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター


ほとんどの種は生後数年で繁殖を始めないため、鳥類飼育における繁殖結果は常に変動的です。ペアは互いに相性が良く、親密で、成熟しており、抱卵が上手く、雛への給餌に長けている必要があります。個体間の組み合わせは非常に異なり、気候や飼育者の注意などの外的要因にも左右されます。

ロロ・パーク財団にはさまざまな種と繁殖用の鳥が多くいるため、慎重に管理し、給餌の一貫性、環境の変化、各種の段階に応じた餌の提供に細かく注意を払っています。

今シーズンの繁殖は特に実り多く、年末までに異なる種で1,100羽以上の雛が生まれました。

初めて繁殖に成功した3つの種:

↑キビタイハネナガインコの雛

キビタイハネナガインコ:エチオピア固有の種。分布域にあるKAFA保護区で、ロロ・パーク財団はNABU団体とともにこの種の保護に多大な努力を注いできました。この種に適した在来植物による森林再生が進められ、同時に最古のコーヒーの天然林が保護されました。現在、繁殖が成功し、アフリカ産の鳥グループの中でも独特な行動と鳴き声に驚きました。

ハネナガインコ属に属するこの種はよく知られている種とは異なる独自の特徴を持っています。その行動は特殊で、キビタイハネナガインコの生物学や生態について科学的にほとんど知られていません。野生での観察がますます困難になっており、私たちが考える以上に絶滅の危機に瀕しているのではないかと懸念しています。

↑キビタイハネナガインコ

プロジェクトの主な目標のひとつは、この地域の森林を再生することで、森林の分断をなくし、森林の一体性を確保するとともに、キビタイハネナガインコの餌となり避難場所となる植物を提供することです。

認定動物園でこの種を人工飼育下で繁殖させることは、人工飼育下での知見の少ない種の管理プロトコルを確立するために非常に重要です。これにより、野生の固有種のためのセーフティーネットが形成されます。

プフリマーウロコインコの雛

プフリマーウロコインコ

プフリマーウロコインコもロロ・パーク財団で初めて繁殖に成功しました。ブラジルの特異なカーティンガ森林に固有の絶滅危惧種で、人工飼育下での知見は少ないです。数羽の雛の孵化は、世界最大の生存している鳥の遺伝子プールにおいて、この種の繁殖史上の画期的な成果です。

この種は人工飼育下では珍しく、ロロ・パークの施設で生きた姿を見ることができます。         

さらに興味深いのは、2羽のイワクサインコが生まれたことです。

↑イワクサインコ

オーストラリア沿岸地域の、島の砂丘や岩場という特殊な場所に生息する人工飼育下での知見が非常に少ない種です。ロロ・パークで初めて繁殖が成功しました。これはヨーロッパで初めてのことです。この種はヨーロッパで初めて認定動物園で飼育されており、オーストラリア以外の飼育下では希少であるため、非常に重要です。

この3種により、ロロ・パークとロロ・パーク財団は世界的な鳥類の人工飼育管理のリーダーとしての記録を更新しました。また、先進的な鳥類管理のためにより多くの基盤を提供しています。

©2025 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局

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