いつもありがとうございます。鳥爺です。
「鳥爺のDJ奮闘記」更新しました。 「(39)一生分の悔し涙」
ビルのオーナーから明け渡しの話があってから2日後でした。
オーナーと一緒に、3人の男性が訪ねてきました。
3人は20代後半で私より若く、個性的な服装をしていました。
ディスコに来るお客様とはちょっと違った雰囲気です。
かといってカワダさんのような業界(?)の方ではないようですが、ちょっとやっかいな感じがしました。
名刺交換をすると、3人は100km先にある衣料品の社長、専務、常務でした。
なるほど、ビルのオーナーが自分では対応できないので、私と直接話をする方法をとったようです。
簡単な挨拶の後、衣料品の社長が切り出しました。
「今月いっぱいで明け渡す約束になっていますが、大丈夫ですか?」
「今月いっぱい??」
私はびっくりして、オーナーを見ました。
オーナーは下を向いたままで、私の視線を避けているようです。
「今月いっぱい、という話は初めて聞きました」
と答え、さらに
「明け渡すつもりはありません」
と言いました。
すると、衣料品の社長が、オーナーに目配せをしました。
オーナーは膝に抱えていたカバンから書類を出し、私の目の前に差し出しました。
その書類のタイトルには「覚書」と書かれています。
覚書、、、、!?
嫌な予感がします。
中を読んでみると、
「滞納した家賃○○円を〇月○日までに全額返済できなければ、直ちに物件を明け渡す」
という趣旨の内容が書かれていました。
ここで言う「物件」とは、もちろんこのディスコのことです。
覚書の日付は私がディスコの代表に就任する前です。
さらに全額返済の日付は、とっくに過ぎていました。
私がカワダさんと真剣なやりとりをしている間に、こんなことが進んでいたなんて、驚きました。
また同時にこんなに憤りを覚えたことはありません。
「私はこの覚書は見たことがありません。無効です!!」
と、怒りにまかせて言い放ちました。
すると衣料品の社長の隣にいた専務が立ち上がり、
「内部事情はこっちには関係ない。約束を守れよ!」
おっと、カワダさんじゃあるまいし、口調が脅しになってきました。
さらに常務までもが立ち上がり、
「いつ、明け渡すんだ?」
と詰め寄ってきました。
私はちらっとオーナーを見ましたが、視線を避けられました。
カワダさんやその他の債務に対しては、なんとか円満に進み始めたので、安心していました。
しかし、こんな問題が出て来るなんて、ほんとうに悲しくなってきました。
しかし、この問題が私にとって悲しいどころか、後日一生分の悔し涙を流すことになるとは思いませんでした。
(つづく)
(PS)
毎週月曜日更新の「羽根太の方針」はしばらくお休みさせていただきます。
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