鳥長屋激震③

鳥長屋激震③

飼い主の懺悔と反省

おはようございます、まあくです。
「鳥長屋激震①」「鳥長屋激震②」で、のこちゃんが緊急手術を受けることになるまでをお伝えしました。
今回は手術の結果の報告と飼い主の懺悔と反省です。

手術は、日曜日の夜、外来の診察が終わった後20時頃から始まるとのことでした。
術後すぐに結果を連絡してくださるとの事だったので、祈るような気持ちで電話を待ちました。
電話が来たのは21時半をまわり22時が近づいた頃。予想以上に結石が大きく時間がかかってしまったこと、けれど無事に全て摘出出来たこと、結石により膀胱が炎症を起こしひどい膀胱炎を併発していることを伝えられました。
とりあえず無事に手術を終えたことに安堵し、翌日朝一番に詳しい説明を受けに病院に行くことをお伝えし床につきました。

翌朝、再会したのこちゃんは手術の疲れと絶食による脱水で目が落ちくぼみ見るからに元気の無い様子でした。
自分の無知と怠慢から病気にさせ、痛い思いと辛い体験をさせたと思うと涙ながらに詫びることしか出来ません。
主治医の説明では結石が大きく、そのまま無理に取り出せば膀胱が裂けてしまう恐れがあったため結石を割りながら摘出したので時間がかかったそうです。
しばらくは入院して点滴と膀胱炎の治療をすることになりました。

帰りの電車で、色々なことを考えました。
なぜ結石を疑えなかったのだろう?兆候は無かったのか?
結石の兆候といえばザラついた尿酸の排出だと思っていました。けれどそれ以外に結石が膀胱を刺激し続けることから膀胱炎を併発することが多いと言われています。
膀胱炎の症状は?リクガメの尿は通常殆ど無臭です。けれど重度の膀胱炎ではアンモニア臭が出ます。そして排尿時の痛みで大きな唸り声をあげることがあります。

少し前から、のこちゃんは大きな唸り声をあげることがあったことは「鳥長屋激震①」で書きました。
しかし飼い主は、これを発情と解釈しました。
そして尿の臭いがきつくなったことにも気付きながらも膀胱炎に結びつけることが出来ませんでした。

私は、動物の飼育には知識と経験の引き出しがあればあるほど良いと思っています。
何か事が起こったとき、その引き出しから考え得る事態を予測し、とるべき行動を考えるうえで、引き出しは多ければ多いほど有利だと思っていました。
しかし今回、私は引き出しの使い方を誤りました。
ひとつの「結石の兆候はザラついた尿酸の排出」という知識に捕らわれ別の引き出しを開けようとしなかった。
結石➡️膀胱炎多発という知識の引き出しと膀胱炎➡️尿のアンモニア臭という知識の引き出しをつなげることが出来れば正解にたどり着けていたかもしれない。
どれだけ知識の引き出しを持っていたところで、それを適切に活用出来なければ何の役にも立たない、これを痛感しました。
偉そうに、知識と経験の引き出しを増やす、と言いながらまるで使いこなせていない、無知と怠慢ばかりの飼い主が私でした。

この、飼い主の無知と怠慢の代償が、のこちゃんの死という最悪の結果でなかったことが何よりの救いでした。
それは全て獣医師の先生方のご尽力とのこちゃんの頑張りによるものです。
それらを無駄にしないために、私はこの失敗を経験の引き出しに加え、二度と同じ失敗はしないようにしなければと思っています。

飼い主の無知と怠慢は動物を殺すと偉そうに言っていた私の今回の出来事をご不快に思われる方もいらっしゃると思います。
けれど、私はこの失敗を批判を承知で、恥を忍んでブログに書くことで読んでくださった方の引き出しにも加えていただくことが出来ればと思っています。

その後のこちゃんは1ヶ月の絶食(術後の食欲不振による)を経て劇的に食欲を取り戻し、元気になりました。
飼い主には怠慢の罰が当たり、のこちゃんの温浴で溜まった腰の疲労がピークに達しギックリ腰になりました。

明日、のこちゃんは術後半年の検診に行きます。病気を疑い、近隣の動物病院の受診の時から何度予約の電話をしても、いつも埋まっていて予約の取れなかった、けれど電話の度にのこちゃんのことを心配して愛情溢れる言葉をかけてくださっていた素敵な運転手さんのペットタクシーに乗って。

まだ、尿の臭いは少し残っているので膀胱炎は完治していないのかもしれません。
飼い主、しっかりこれからのケアのことも先生にうかがって、のこちゃんと二人三脚でこれからの亀生を健康に歩んでもらっていこうと思っています。
そして、のこちゃんを心配してくださり温かいコメントをくださった方々、本当にありがとうございました!!

            終わり。

写真は、のこちゃんの大好物ナンバーワンツーコンビのキャベツとサツマイモを食べるのこちゃんです。

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コメント

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  1. キャベツとサツマイモに元気そうにアタックするのこちゃんの写真に「良かったね~」の想いがこみ上げてきました。

    まあくさんの

    「引き出しの使い方を誤った」

    の言葉に考えさせられました。

    私も、飼い主の無知と傲慢さが飼い鳥の幸福度を大いに左右するという考えがベースにあり、知識や情報を増やし(=引き出しを増やす)、何が飼い主さんと愛鳥さんにベストが考えましょう・・・と偉そうに(-_-;)オンラインサロンでお伝えしています。

    その考え方に変わりはありませんが、言葉を話せない鳥さんや動物の危機を察知し、対処・行動することは本当に難しいですよね。

    まあくさんのブログから多くを考えさせられました。
    貴重な体験をシェアしてくださりありがとうございました。

    のこちゃんの検診結果が優良!でありますように。

  2. 待ってました!
    なにより、のこちゃんが無事で安心しました。モリモリ食べる姿は元気になってくれたことを実感させてくれますね。ペットタクシーはさぞ良い乗り心地だったでしょうね。
    まあくさんの引き出しの話を読んで考えました。わたしには、まだ引き出しが少なく選択する情報が圧倒的に不足しています。ところが!気づいてしまいました。だからこその仲間、だからこそのWYがわたしにはあるんです!引き出しとそれを正しく使いこなす洞察力を拝借する時が来たら、どうぞよろしくお願いします!

  3. WYさん、のこちゃんの回復を喜んでくださって、ありがとうございます(*^^*)
    私は、WYサロンやセミナーを起ち上げの時にひとみさんが「愛鳥家に海外の情報を提供し、それらを取捨選択し、活用する力をつけるお手伝いをしたい」というような趣旨のお話をなさったときに、ものすごく感動したことを覚えています。同じようなことを思っている方がいたんだ!と。
    誰でも最初から用意した引き出しを使いこなせるわけではなく、そこはやはり経験値が物を言うところもあると思います。なので、私もこの失敗に落ち込むだけではなく、「飼い主は嫌な想像からは目を背けたい気持ちから正しく引き出しを活用出来なくなることもある、症状などを紙に書き出して客観的、複眼的に状況を考えるべき」という経験の引き出しを加えました。まだまだダメ飼い主ではありますが、私の肩には鳥長屋みんなの健康や幸せがかかっています。日々精進、これからもたくさんの知識や情報の発信をよろしくお願いしますね!!

  4. Captainさん、のこちゃんのこと心配してくださっていて、ありがとうございます。写真のごはんは、一回分のご飯で、私が朝の仕事を終えて帰宅するとキレイさっぱり食べ尽くしておかわりを催促されます(^_^;)
    Captainさんは鳥さんの飼育初心者と仰っておられますが、サロンやセミナーで知識を得ようと頑張り、鳥仲間と積極的に交流して色々な考え方に触れようとし、 何よりキャプテンさんに寄り添う姿勢にいつも感服しております(*^^*)
    このブログで、キャプテンさんの引き出しもひとつ増えたのなら、それは書いた私にとってもとても嬉しいことです。
    今回、私がお伝えしたかったことは引き出しの数を増やすことはもちろん、それを使いこなす力も養いたいと感じた事です。何かことが起こった時に自分の持ち駒を最大限活かして対処しようとすること、それこそが飼っている動物さんにたいして責任を持っていると言えることだし、そうすればこそ結果を受け止められると考えているので、そんな飼い主になれることが私の目標です。
    これからも一緒に、高めあって頑張りましょうね!

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