DJ奮闘記「(15)顎を上にあげる動作」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

営業時間に合わせてディスコに戻りました。

「東京に帰ったのでは?」

とDJの大久保くんが不思議そうに聞いてきました。

その質問には答えず

「カワダさん、って知ってる?」

と逆に大久保くんに聞きました。

「はい。知っていますが、有名な方ですよ」

 「どんな人?」

 「たしか次期候補だと聞いていますが、、、」

次期候補って何? 

私の頭の中では一番怖い次期候補が浮かんできました。

大久保くんが続けました。

「組自体は大きくはないですが、直系なので力はあるみたいです」

やはりそうでした。

私なりに調べたり、聞いたりしていていましたが、ようやく点と点が繋がり線になりました。

それにしても直系って何?

ま、これはあとでわかることでしょう。いずれにしても、明らかに私が住んできた社会とは違う社会に引きずり込まれたようです。

「カワダさんと会うんですか?」

と、呆然としていた私に大久保くんが聞いてきました。

「そう、営業終わってから、ここの屋上で、、、」

と答えると、

「それはまずいですね」

と腕を組みながら天を仰ぐような仕草をしました。

ディスコを閉めるかもしれないよそ者の私に対して、心配してくれている様子がとても嬉しかったです。唯一、味方ができたような気持ちになりました。

しかし、営業時間が終わりに近づくほど、恐怖心が高まってきました。

 そして、とうとう閉店の時間です。

そのタイミングで例の3人組が店に入ってきました。

私のほうに近づいてきて、顎を上にあげる動作をしました。

ついて来い、ということのようです。

(つづく)

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コメント

  • コメント ( 2 )

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  1. 「それはまずいですね・・」って。

    いやいや、ヤバいでしょ。
    全力で止めて!って感じです。

    この回顧録は心臓に悪いです(汗)
    でも次が気になります(笑)

  2. もう少しの辛抱です、、、(苦笑)。

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