いつもありがとうございます。鳥爺です。
気がついたらディスコの前に車を停めていました。車から外に出ておもむろに時計を見ると14時過ぎ。ディスコの開店は19時からなので、店は閉まっているはずなのに、玄関が開いていました。
こんな時間に誰がいるのだろう!?
お店は地下なので階段を下りていくと、音楽が聞こえてきました。大音量ではなく、テンポも緩やかな曲です。照明も明るくしてあるので、営業時間と違って心地よい空間でした。ダンスフロアで一人の若者がモップ掛けをしている最中でした。
その若者は私に気づくと「どうしたんですか?」とびっくりしていました。
「いや、信金さんに急に呼び出されて、、、。」
と答えると、
「そうですか」と言って、モップ掛けを続けました。モップ掛けをしていた若者はDJの大久保(仮)くんです。彼はDJと照明を担当していましたので、ほとんど話をしたことがありません。
ただ、常連客のキミコとカオルの話によると、女性客のほとんどは大久保くん目当てで、来店していると聞きました。
当時どこのディスコも「黒服」が人気でした。残念ながらDJが人気が出るのはもっと後です。
ただ大久保くんの場合はDJだからというより、彼がとびっきりのイケメンだったからだと思います。羨ましい(苦笑)。
「いつも大久保くんが一人で掃除をしているのですか?」
と聞くと、答えがありませんでした。
答えがない、、、たぶんそれが答えのようです。
先日、常連客のキミコとカオルが言っていた「毎日、こうよ」を思い出しました。
営業が終わっても誰も掃除はしません。そのため翌日、大久保くんが早く出てきて掃除をしていたようです。
「手伝うよ」
と言いましたが、「ちょうど終わりです」と言われ、私の出番はありませんでした。
しばらく様子を見ていると、次に厨房に入り食事の仕込みを始めました。
「仕込みもやるの?」
と聞くと、
「はい」とそっけなく返事されました。
ここでも「手伝うおうか?」というと、
「いえ、一人でできますから」と、またまた出番がありませんでした(苦笑)。
もしかしたら私は嫌われているのかもしれません。
そりゃあ、そうですね。ディスコを続けるために東京からやってきたかと思えば、今度は閉める(廃業する)ことに舵をきったのです。信頼されていないのは当然だと思います。
でも私は大久保くんを見て、とても信頼できる人間だと思いました。
なぜなら誰も見ていないところで、誰にも評価されないのに、たった一人で黙々と働いていたからです。
後で彼の給与明細を見ましたが、他のスタッフとほとんど変わりありません。
ディスコは失うかもしれませんが、大久保くんのような有望な人材は失いたくない、と思いました。
後に彼の存在がディスコはもちろんのこと、CAP!やロムテックを大きく前進する力になるとは、このときは夢にも思っていませんでした。
さて、今日はすることもないし、このまま開店からラストまで頑張って居座ることにしました。何も遠慮することはありません。潰れそうな店の代表になった訳ですし(苦笑)。
大音量や照明チカチカは辛いですが、もっと大久保くんの働きぶりを見たいと思ったからです。
しかし、営業の最初から最後までを通してみて、やっぱりたいへんな状況だと確信しました。
(つづく)
今日も素敵な週末になりますように(^o^)/
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