トーマスがくれたもの
こんにちは。まあくです。
先日、友人から可愛い写真が送られてきました。彼女のおうちのネコちゃんがコタツでくつろいでいる写真。今日は、このコタツのお話です。
実はこのコタツは、我が家の長女、ギリシャリクガメのトーマスの愛用品でした。冬はもちろん、夏でも電源を入れず入口をオープンにしておくと、ご飯の時以外は、ほぼ入り浸っていました。
もうずいぶん前の話ですが、私は、お腹の中にいた小さな命が消え、毎日毎日泣いてばかりでした。そんな私を見かねて主人がお迎えしようと言ってくれたのが、トーマスでした。
トーマスがおうちに来て、ひと月経ち、クリスマスツリーを飾っていた時、トーマスがツリーの緑の葉を食べようとパクパクしたんです。小さなトーマスには届かないけど、何度も何度も。「トーマス、これ、食べらんないよー」と言いながら笑っている自分に気付きました。
その瞬間、「命ってすごい、生きているってすごい」と思ったんです。それまで私の支えになっていたのは病院でもらった超音波の写真。そこに確かにいた命を見ては泣いていたのに、今ここにある命は、私を笑わせてくれたんです。何も言わなくても、ただそこに生きていてくれるだけで、こんなにも力をくれるのだと涙が出ました。
その後、トーマスが体調を崩し爬虫類専門の獣医師の診察を受けた時のこと。私は「リクガメ飼うの初めてで」と飼育環境の不備を指摘されたときに、そう言いました。その時、獣医師は「こいつらみんな、飼い主に飼育の経験積ませるために生まれてきたんじゃないんだ。命をあずかるからには、相応の覚悟が必要なんだ、今からでも勉強しろ」と、本気で怒られました。
そうですよね、初めてだからって命にやり直しはききませんよね。そして、そのコにとっては運が悪かったじゃ済まない話ですよね。
命をあずかる責任を、私はその時になって本当の意味で理解しました。
トーマスがくれたもの、それは命の素晴らしさと命をあずかる責任。
トーマスとの出会いと暮らしと、その時の獣医師の言葉が、今の私の動物たちに向き合う心構えを作ってくれたと言っても過言ではありません。
もちろん、まだまだ気持ちをわかってあげられずに怒らせたり、我慢させたり失敗ばかりなんだとは思うのですが、この心構えだけは、ずっと持ち続けていきたいと思います。
さて、そんなトーマスの愛用していたコタツ、ずっと大事にとってありました。水槽やライト、ご飯のお皿など、トーマスの生きていた証になるものは、ずっと処分出来なかった。
でも、新しい職場で出会った友人がネコちゃんをお迎えし、その暮らしや彼女のネコちゃんへの愛情溢れる話を聞いているうちに、このおうちなら、コタツと共にあったトーマスと私たちの幸せな日々の続きを作ってくれるのでは、と思うようになりました。
きっと、トーマスもコタツも、その方が良いって思ってくれる、そう思って、その思いを彼女に話すと、喜んで引き継ぐよと言ってくれて、そして、この写真です。
今、こんな風に思えるのは、おうちのコたちみんなが私に笑顔と力をくれているから。私も、このコたちに幸せをあげなきゃと思う日々です。
コメント
コメント ( 8 )
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先生のお言葉胸にきました。私もそうなんですが、鳥飼いのお友達の中にも、初めてお迎えした子を知識不足で病気にしてしまったり、亡くしてしまう方は少なくありません(私は最初の子は鳥専門医に連れて行くことができず(鳥専門医に連れて行かないといけないことをちゃんと分かってなくて)適切ではない治療で手遅れにしてしまいました)。
そしてその後、あの子の命を無駄にしないためにもって一から勉強し直して色々整えて、意を決して次の子をお迎えするわけですが、まさに先生のおっしゃる通りです。いつもそう思って、取り返しのつかない自分の当時の甘さを今でも腹が立ちます。経験を積ませてくれるために生まれてきたんじゃないのにって、あの子もそして今いる子たちも同じ命なのに。最初にお迎えする時から意を決して準備万端にしなければいけませんよね。
この先生はたくさんそういう子達を見てきて、代弁してくださったんですよね。そしてそれをしっかり受け止められたまあくさんも素晴らしいと思いました。
yucakyさん、コメントをありがとうございます。みんな、お迎えするときに命を軽く考えているわけではなくて、でもいたらなかった、という事なんでしょうけど、そのコにとってはまさに命が終わってしまうのですから、責任重大ですよね。私もトーマスに辛い思いをさせたことを絶対に無駄にはしないつもりです。
私がこの気持ちを持ち続けている限り、トーマスは私のすぐ側で、見ていてくれると思っています。。。きっとyucakyさんの亡くしてしまった愛鳥さんだって、そうなんだと思います。
まあくさん★
貴重な体験談をありがとうございます。
わたしはこのサロンに集う誰よりも鳥さん飼育初心者なので、気持ちがざわっとしました。終生飼育を目指して30歳ヨウムのキャプテンをお迎えしましたが、寿命を全うするまで健康に過ごしてもらえるように、あらためて気が引き締まるおもいです。貴重な経験を聞かせてもらえるこのような場に出会えて心強いです。
ありがとうございました!
Captainさん、コメントをありがとうございます。誰よりも初心者って仰いますが、寿命の長いヨウムさんをお迎えしたいと思ったときに里親を選択肢に入れたこと自体、しっかり心の準備をなさっていたからでしょう?そしてキャプテンさんをお迎えするまでにTSUBASAのスタッフさんからも色々教えていただいたり、ご自身でも勉強なさったり、だからこそTSUBASAも安心してキャプテンさんを託せたのだと思います。
私は鳥さんの飼育には、愛情と正しい知識が必要で更に経験も大きな力になると思っています。でも、個人が一生かかってもお世話できるコの数なんて知れてますよね。でも、WYサロンのようなコミュニティで、色々な飼い主さんと愛鳥さんの話を聞く事で、疑似体験は出来ると思います。現に私はCaptainさんのトイレトレーニングの投稿を読み、そんなこともあるんだ!と勉強になりました。これからも、お互い、色々発信して知識と経験を積み重ねていけるといいなぁ。これからもよろしくお願いしますね!
これからのキャプテンとの生活の励みになるお返事、ありがとうございます!
飼い鳥ベテランのキャプテンに教えられることの方が多いです。鳥さんも個性豊かで何が正解かひとつの答えには当てはまらないですものね。ここで得た皆さまの経験も参考にして、何よりキャプテンに合う飼育を日々模索していきます!
こちらこそ、これからもよろしくお願いします!
皆さん、素敵すぎます♪
鳥飼さんは本当に純粋で責任感が強く、愛情深い方が多いですよね。
まあくさんのお話、そして皆さんのコメントを読ませて頂いて、このサロンを立ち上げた甲斐があったな~なんて思っています。
生き物をお迎えする事は覚悟と責任が伴いますが、鳥さんをお迎えする時の覚悟と責任は他の生き物を飼うよりも何倍も強くないと難しいだろうなって感じます。でも皆さんはそれをしているわけですから、尊敬です♪
覚悟を持ち、責任に向き合っている飼い主さんと一緒に生活できている鳥さんたちは幸せ者ですね。
WY事務局さん、遅くなりましたが改めてお礼を言わせてください。私は英語は本当に苦手で飼鳥先進国である欧米の情報は、欲しくてもなかなか得られないものでした(努力不足と言えばそれまでですが。。)それを、このサロンで発信してくださるなんて、発表があった瞬間に会員になることを決意しました(≧∇≦*)本当にありがとうございます。
それから、今まで最期の辛い瞬間ばかりが思い出されてしまっていたトーマスとの日々に、たくさんの笑顔と幸せがあったことを思い出させてくれたのは、会員さんたちとその愛鳥さんの写真やブログでした。この場を借りて、お礼を言いたいです。本当にありがとうございます。これからも、このサロンで笑顔と幸せを共有していきたいです。どうぞよろしくお願いいたします
まあくさん
こちらこそありがとうございます!
一緒にサロンを盛り上げていってくださいね。
こうして愛鳥家さんが交流してくださると私も嬉しいです。