ロロパーク財団の鳥のための一年草の季節

Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団サイエンティフィック・ダイレクター

鳥にとってとても大切な時期を迎えています。一年の始まり、気温が低い間に鳥は変化に備えなければなりません。ヨーロッパの緯度では、日々の日照時間が長くなり始めるまで時間はかかりません。そしてこれは、繁殖期の始めに大半の鳥が活動的になるきっかけとなっています。

寒さが主役の一つであるこの時期、熱帯地原産の鳥種が快適に過ごせるよう、特に気を配る必要があります。大半の鳥にとって、寒さは深刻な問題ではありませんが、適応するのに労するため、温度が急激に変化しないようにする必要があります。環境要因から鳥を守ることは非常に重要です。避難するための屋根やフライトの中に隠れる場所があることで、季節の変化の厳しさを避けることができるでしょう。

同じように、最も厳しい気候の場所では、一定の暖かさの場所を常に用意しておかなければなりません。セラミックランプや赤外線ランプを使えば、鳥が適温に達するまで近づいたり離れたりすることができます。小型鳥にとって、これは非常に重要です。急激な温度変化に耐える能力が低いため、注意が必要です。鳥小屋に巣やシェルターがあると、鳥はそれを自由に利用することができます。ほとんどの鳥には、風の強い日や嵐の状況下で避難できる場所が必要です。繁殖期でなくとも、このような時に利用できるようにしておく必要があります。

忘れてはならないのは、ミドリインコのような多くの種は、群れで生きている時、集団の暖かさを利用するためにグループで集まることが好きであるということです。巣や広いフライトは、そのために使われます。そして、多くの繁殖ペアにとって寒い季節は望ましくないと思うかもしれませんが、実際には、利用しなければならない大きな価値があります。この季節、鳥休息中のため、ホルモンの働きが低下しています。鳥が体に余分な脂肪を持っていても、寒さのおかげで脂肪を減らすことができるのです。更に、雨のおかげで、一年間に必要とする代表的な餌の大部分を手に入れることができます。タンポポ（Taraxacum officinale）、コハコベ（Stellaria media）、アルファルファ（Medicago sativa）、クレソン（Nasturtium officinale）やナズナ（Capsella bursa-pastoris）等のような一年草が豊富に育ち、これらはまさに次の春前に、私たちの鳥が必要とするものです。

季節の植物もほどほどに追加します。最初は少量にし、既に花か果物が咲いている草を与えてください。環境を豊かにするために私たちが提供できる一つとして、まだ熟していない緑の果実を与える事ができますが、鳥はこれをとても熱心に食べます。

植物のとげの中に入っている小さな緑のシードを、非常な繊細さで鳥は探し出します。小さな緑のシードの利点は大きく、新陳代謝を良い状態に保ちます。また、緑の果物の多くは、鳥にとって必須ビタミンの前駆体であることを忘れないようにしましょう。多くの場合この前駆体は、季節と季節との間に変化する生殖システムを発達させるための準備を整えてくれます。餌を変更したり、新しい食事を与えた際、排泄物の色や質感が変化することがありますが、それは正常であることを覚えておいてください。飼育員はフードの量を判断するためにこれらの変化を観察しなければいけません。非常に水っぽい排泄物の症状が出ている場合は、与えているものを減らすか、控えめにする必要があります。

採取された草の原産地を知ることは重要です。農薬や有毒な要素が含まれていてはいけません。また、一年草の種類を知っておく必要があります。種類の識別を間違えると、動物の消化器系の問題を引き起こす可能性があるからです。問題を避けるために、畑から採取され運ばれてきた草を洗って乾燥させることは必須です。