大切な命のために忘れてはいけないこと 13
1940年 アメリカで制作されたアニメーションの主人公 ウッディー・ウッドペッカー。
このアニメのモデルとされるのが ハシジロキツツキです。
このアニメのシリーズは人気で 1961年 日本でも放送されていました。
その後1999年にも再制作されるほどの大人気作品でした。
しかしその人気とは裏腹に ハシジロキツツキは 1944年 絶滅種として発表されました。
ハシジロキツツキはアメリカ最大のキツツキで 白と黒のはっきりした羽色、オスには赤い換羽がありました。
この鳥が初めて発見されたとき、その美しさと大きさから「神の鳥」と呼ばれていました。
ハシジロキツツキは ほかのキツツキ類とは違い適応力に乏しい性質でいた。
アメリカからキューバの森林地帯に生息していまいたが、開発による森林伐採が原因で急激に生息数が減りました。
大型のため多くの食料を必要とし、樹木に生息する昆虫を主食としていましたが開発によって木々が伐採されると
途端に数が減りました。
ハシジロキツツキが安心して暮らせるだけの大きな木は育つまでに何年もかかります。
生息するための大きな森や 安全なえさ場が亡くなった事が致命的でした。
ハシジロキツツキ非常に夫婦の絆が強く一度番になると一生同じ相手と番になっていたそうです。
1組のカップルはその生息環境として約8キロヘクタールもの広大な森林を必要としていました。
それだけの広大な森林地帯は20世紀初頭にはかなり少なくなっていました。
また 人による採集行為も絶滅への引き金を引きました。
1869年~1914年 この間は特に人による乱獲がすさまじかった時期です。
当時の人々は野生動物をはく製などとしてコレクションしており ハシジロキツツキのような大型の鳥の人気は
高かったようです。
鳥の生息数が少なくなればなるほどはく製の価格は高騰し それが捕獲に拍車をかけました。
1944年 コシジロキツツキの絶滅が発表されましたが 後日談があります。
1986年 キューバで この鳥が生きている映像が公開されました。
その後 2005年 アメリカでも目撃されたという情報があり 研究者はざわめきましたが 撮影画像が短く、
類似種で小型のエボシクマゲラとの誤認ではないかという説も出ました。
その後 アメリカ、キューバ両国にて ハシジロキツツキの探索は続けられましたが はっきりした情報はなく
米国魚類野生生物局は 2021年改めてハシジロキツツキを絶滅危惧種から排除 絶滅種として発表しました。
同時に10種の鳥類、1種のコウモリ、2種の魚類、8種の貝類、1種の植物においても 絶滅危惧種から排除
絶滅種と認定されました。
極近隣種として メキシコハシジロキツツキが確認されていますが、彼らはアメリカ・キューバのハシジロキツツキよりさらに大きく体長55㎝もあり、世界最大のキツツキの仲間といわれていましたが1960年代以降記録がなく、
絶滅したものとされています。
米魚類野生生物局関係者は、「23種の絶滅は人類が自ら招いた環境変化の結果」として、「米国の自然遺産および
世界生物の多様性の永久的損失を意味する」と述べたそうです。
ハシジロキツツキの生存が語られた2005年から 2021年わずか15年足らずの間に 23種の生物の絶滅。
それもアメリカという一つの地域に限っての結果です。
この事は生物の絶滅速度が、加速度的に増えてきているという大きな事実であるといえるのではないでしょうか。
ハシジロキツツキの標本は多く残されています。
しかし、アニメにもなった有名な鳥の姿を見ることはできません。
多くが同時期に採集されたものとされ、乱獲の爪痕が明らかになっています。
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