アン・ブルックス著
ラフィーバが世界でサポートしている鳥類の保全活動の一部のご紹介となります。
①ヨウム アフリカ―ナイジェリア&コンゴ民主共和国 前半
ヨウム アフリカ―ナイジェリア&コンゴ民主共和国 後半
②アオキコンゴウインコ ボリビア
③ラブバード アフリカ
④スミレコンゴウインコ ブラジル パンタナール湿地
コイネズミヨウム(Timneh Greys)は西アフリカの国々、シエラレオネやギニア、ギニアビサウ、リベリア、コートジボワールなどに生息しています。10~50万羽ほど生息していると推測されますが、正確な数は分かっていません。はっきりしていることは、他の保全対象の鳥と同じく、密猟や生息地の縮小により数を減らしているということです。
コイネズミヨウムがIUCNによって個別の種であると認められたのは10年前(2012年)のことです。それから4年後の2016年には、IUCNのレッドリストの絶滅危惧種として検討され、2017年にはCITES付属書Iの最も絶滅が危惧される種に登録されました。
ワールド・パロット・トラスト(WPT)が纏めたところによると、何百、何千ものコイネズミヨウムが国際取引に掛けられており、生息地の77%以上が既に消滅しています。繁殖地がこれだけ減少してしまうと、種としての存続が厳しくなります。
2021年から2022年にかけて、WPTはシエラレオネを中心に重要な保護活動を開始しました。まず、70の地域で239人を対象に、コイネズミヨウムに関する知識の啓発を行い、コイネズミヨウムに対する彼らの認識、そして分布とその数を調査しました。現地の人達の意見を聞くとともに、彼らに生態系の知識を持ってもらうことで、その地域にあるコイネズミヨウムのねぐらや巣の場所、季節を通じての移動範囲をつかむことができました。これにより、現地のマングローブエリアが重要な役割を担っていることが分り、保全活動で重要なカギとなるものを知ることができました。
最大級のねぐら場所を発見
この活動のさなか、数百羽の鳥がねぐらとしている場所を突き止めることができ、そこがコイネズミヨウムの最大級のねぐらであることが分りました。これは素晴らしい発見であり、また他の場所でも健全に生息している可能性を示唆します。一方で、成鳥の密猟や卵の奪取など重大な問題がいくつか発覚しました。今後、土地開拓により状況はさらに悪くなる可能性が高く、ほかのねぐらの保護も非常に重要です。
WPTは、現地のリーダーや地域住民、保護活動家、政府関係者を一同に集めたミーティングを幾度となく開催し、コイネズミヨウムの保全と保護に必要な活動について話し合いました。コイネズミヨウムの保護の重要性を知ってもらうための掲示を保全戦略地に設置するとともに、ねぐらや巣の保護を地域として行い、保全の必要性を周囲に広める活動を行う「監視員」として、45のコミュニティーを認定しました。
また、鳥類の保全に関するメッセージをコマーシャルにして、現地のラジオで定期的に流しています。政府関係者がコイネズミヨウム保全の必要性をQ&Aで答えるラジオの生番組でも流されました。このような活動をこれからも定期的に継続していくことが、保全活動の成功には欠かせません。
ラフィーバが毎月出資している、グローバルパロット保全助成金。今回は、WPTのローワン・マーティン氏率いるコイネズミヨウムを守る活動に充てられます。
2022/9 Ann Brooks, 寄稿記事
翻訳:小林由香
Lafeber社より当該記事の翻訳及び掲載許可を得て掲載しております。
当サイト内の全てのテキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
コメント
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。