Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター
ヨーロッパの緯度では2月、3月に繁殖期が始まりますが、世界の多くの地域では、多くの種の鳥たちが年末に生まれています。
ロロパーク財団の繁殖センターは、年間を通じて温暖な気候という恵まれた立地にありるため原産地に似た環境でペアが繁殖する可能性が高いです。実際、ヨウムのペアの中には10月に繁殖を開始できるものもいれば、年明けに繁殖したものもいます。
繁殖センターで飼育段階を統一することで、段階に応じて日々の作業に集中し、管理を容易にすることができます。しかし、気候条件が許せば、動物の遺伝的本能を尊重することが最も適切です。親鳥の育児意欲が強いため、自然繁殖の成果も期待できます。
また、条件や体調の良し悪しによって、いつでも繁殖可能なペアもいます。このような場合、鳥たちの態度や行動に応じて餌を補う必要があるため、飼育者は注意を払う必要があります。
いずれにしても、冬は雛に餌を与えて栄養を補給する時間が少なくなるため、繁殖ペアが利用できる日照時間を考慮する必要があります。この問題を解決するために、日没の数時間前に親鳥に追加の餌を与え、食事の回数を増やすことが理想的です。そうすることで、1日の最後の時間に、食べて雛へ餌を与えるよう、親鳥に刺激を与えることができます。
また、小型種では夜間の温度低下が激しすぎる場合があり、屋外や時には巣の中にヒートスポットを設ける必要があります。 小型のローリーたちには必須です。オーストラリアのその他の種のインコやクロオウムなどは、日中の日差しがあれば体温調節がうまくいくので、ヒートスポットは必要ありません。
ロロパーク財団で、この時期に繁殖する種はクロオウムです。日中は20度以上、夕暮れから夜にかけて3度にまで下がる生息地特有の温度変化に耐えられるよう、孵化した雛は黄色い羽毛で覆われています。
オーストラリアのヒスイインコもこの時期に繁殖するため、タンポポなどの一年草やミネラル、カナリアシードなどの追加の種を食事に取り入れて、普段の食事を補う必要があります。
数種のローリーは巣の準備を進めており、多くの種は休息期後の次のシーズン開始を間近に控えています。
鳥の世界に情熱を注ぐ私たちにとって、繁殖期の鳥たちが繁殖結果に変えて生命力を示す最もわくわくする数ヶ月の始まりです。
©2022 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局
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