発情のトリガー、巣探し行動 ― Part 1

鳥の行動コンサルタントであるパム・クラークさんの発情に関する情報です。8月・9月の鳥寿会議(プレミアム会員様向けオンライン会議)では発情をテーマに掲げて勉強中のためこちらの記事を公開させて頂きます。(WY事務局)


温かいスープとブランケットが恋しくなってくるこの季節、涼しさと夜長に合わせて鳥達の行動にも変化が現れます。我が家の鳥達も狭い場所を探してウロウロし始めました。いまにクローゼットの中から引っ張り出さないといけなくなりそうです。

今回はこの、狭い場所探し(=巣探し)行動について取り上げます。前回の「発情について考える」でも一部触れましたが、これだけに絞る価値が十分にあるトピックです。特に涼しくなってくるこの時期は、巣探し行動が増えて頭を悩ませます。そもそも巣探しとはなんでしょう。私は「洞穴探し」とも呼んでいるのですが、この言い方をする人はほとんどいないようです。呼び方はともかく、洞穴のような狭い場所を探す姿は皆さん見たことがあるのではないでしょうか。

巣探しとは?

©Pam Clark

飼育下において、成熟した鳥が巣になるような場所を探す行動です。この行動への衝動はとても強く、ペアの有無に関わらず起こるようです。一見、可愛らしく、空想じみて害のない行動に思えます。また狭い場所に入ると長時間出てこないので、何かと心配したり遊んであげたりする必要もなく、飼い主には良いことだと思うかもしれません。

具体的にはどんな行動?

©Pam Clark

行動は多岐に渡るのですが、問題は見逃されがちになることです。放置すると、発情を繰り返すことになり、それに伴う攻撃性の高まり(縄張り意識)や鳴き声、さらには毛引きへと進展することもあります。

この写真を見てください。友人のオウムです。無邪気に遊んでいるように見えますが、実はそうではありません。狭くて暗い場所をチェックする巣探し行動をしています。他にも探検できる場所はあるのにこの場所に固執しています。また洗濯機の上に自ら乗り、飼い主が蓋を開けた隙に中に入ろうとします。

鍵刺激

この行動に関して発表されている研究はありませんでしたが、私はこの巣作り行動は鍵刺激のひとつだと考えています。鍵刺激とは、ある刺激に誘発されて、本能的な行動やその行動の連鎖が起こることです。成鳥は狭くて暗い場所や、筒のような場所、奥が暗くなっている狭い場所にどうしようもなく惹きつけられます。コンパニオンバードであればそれがさらに広義になり、2面あれば十分で、その面が暗い色であればなおさら満足します。

続きはプレミアム記事でお楽しみください。

Pamela Clark, 2019.10.30執筆
翻訳:小林由香

Pam Clark氏より当該記事の翻訳及び掲載許可を得て掲載しております。
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