「鳥爺のDJ奮闘記」更新しました。 「(45)こんな暴挙に出るとは!?」
いつもありがとうございます。鳥爺です。
ディスコの出入り口の鍵が開いていたので、閉め忘れかと思っていました。
しかし、店内の電灯を点けると、そこには想像を絶する光景が広がっていたのです。
すると、
「な、なんだ、これは!?」
それ以上、言葉にもなりません。
通路とダンスホールにはおびただしい数のハンガーラックが、雑然と置かれていました。
椅子の上にはきちんと折りたたんだTシャツやジーンズが、所狭しに積み重なっています。
ディスコではありません。
これはまるで開店前夜の衣料品店です。
いつのまにこんな物を搬入したのでしょうか?
もしかしたら鍵の閉め忘れではなく、すでに鍵を渡してあったのかもしれません。
これは不法侵入です。
警察に通報する前に、まずはビルのオーナーに電話をしようと思い、レジ台の脇にある電話器のそばに行きました。
すると、その近くのソファには、Tシャツでもなく、ジーンズでもない驚くべきものがありました。
なんとそのソファに、人間が4人も横になって寝ていたのです。
4人中2人は専務と常務です。社長はいません。
こんなところで誰の許可もなく寝ているなんて信じられません。
「すみません。起きてください!」
4人とも爆睡している様子で、3回目くらいでようやく目を醒ましました。
私は常務と専務に向かって
「あなたたち、ここで何をしているのですか?」
と言いました。
「何をしてるかって、見りゃわかるだろ」
と専務がめんどくさそうに答えました。
たしかに見ればわかります。
自分の会社の商品を搬入して、店づくりを始めていることくらい、、、。
「まだ私たちが使っているのに、勝手にそんなことしたらダメじゃないですか?」
すると常務が勝ち誇ったような顔をして、こう言いました。
「だったら、警察でも呼びなよ」
さらに続けて、
「こっちには契約書があるんだぜ。警察が来たら、困るのはあんたのほうだろ?」
まさか契約書を盾に、こんな暴挙に出るとは思いもしませんでした。
「鍵はどうしたのですか?」
「だからよー、契約上は俺たちに権利があるんだから、鍵を持っててもおかしくねえだろ!」
と、専務が怒鳴ってきました。
その声を聞いて、他の2名の男性従業員らしく若者が、一斉に私を睨みました。
一瞬、カワダさんの顔が浮かびました。
「何かあったら、俺に相談しろ」
と、「ソウルの日」を楽しんだ後に、カワダさんはそう言っていました。
カワダさんに相談すれば、事態は変わるかもしれません。
しかし、一度カワダさんのような業界の人に貸しを作ることは、今後のためにしてはならないと思っていました。
やはり自分で切り抜けるしかありません。
(つづく)
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