Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター
この時期になるとロロパーク財団の繁殖センターでは、色々なペア鳥の繁殖結果を確認します。繁殖サイクルが終わっていないペアもいますし、1、2回の産卵だけのペアやこの数週間に産卵予定のペアもいます。無精卵を産んでしまったペアにはもう一回チャンスがあります。オスとメス、両方が同時に発情するこの時期は多くのペアの繁殖に最適な時期なのです。
オスとメスがまだ繁殖にあまり興味を持ってないようであれば、自身の雛を育てるホルモンの活性化を促すようなきっかけを作ることが必要です。鳥たちの餌だけでなく、住環境と巣に小さな変化を付けるのに最適な時期かもしれません。
繁殖期は劇的な変化を起こすにはデリケートな時期ですが、繁殖期の終わりに差し掛かっているにもかかわらず好ましくない結果が出ているのなら、行動するしかありません。鳥たちに与えることができる刺激のなかには、鳥たちの競争心に関係するものもあります。ペア同士の競争心や、繁殖鳥舎の周辺に住む鳥たちの間での競争心を促進する刺激です。
いくつか例を挙げてみましょう:
●今ある巣に変更を加えてみましょう
新しい床材を巣に敷く
巣の近くにやわらかい枝を置く
前年より置いてある巣はそのままにし、新しい巣も置く
●刺激を与えるペアと同種の鳥を鳥舎の近くに住ませる。ペアの巣の近くに置けるのであれば、直接目に見える位置でなくても大丈夫。
近くに住まわせる鳥は、同種の幼鳥でもいい。
●繁殖エリアのエサ入れの数を増やす。または、同じ量の餌を少ない数のエサ入れに分けて与える。
このような小さな変化が競争心を高める刺激になり、繁殖の結果に違いをもたらします。
特に繁殖期には、全ての新しい変化は特に細心の注意を払って行い、変化を受け入れ易いように朝の時間に行うようにしましょう。
ロロパーク財団での繁殖期は続きます。多くのペアが活発に繁殖を続け、最初の産卵を始めたばかりのペアもいます。ここでは若い雛の世話をする親鳥の姿が見られます。興味深いことに(鳥の生命について更に知りたい)訪問者の好奇心旺盛な視線の中でも、小さな雛たちは平穏に過ごし、遠慮せずに餌を求め、自然な振る舞いを見せるのです。
©2021 Rafael Zamora Padrón – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局
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Cover photo ©MKortmann
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