
Rafael Zamora Padrón, Scientific Director, Loro Parque
ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター
ボウシインコは、1年を通してとても活動的な鳥です。
ヨーロッパの寒く雨の多い季節でも、その元気さは変わりません。むしろ雨が降ると喜び、気温がかなり低い日でも水浴びを楽しむほどです。もっとも、彼らの原産地では「雨=寒さ」ではありません。
ロロ・パーク財団では、ボウシインコ属に含まれるさまざまな種を飼育しています。種によって体の丈夫さには違いがあり、とてもたくましい種もいれば、細かな配慮が必要な種もいます。
こうした鳥を世話していると、寒い時期には体力を保たせるために高カロリーの食事を与えたくなるものです。
しかし実際には、高カロリーで変化のある食事が必要なのは、繁殖期や換羽の終わり頃です。寒い時期には、体調を良好に保ちながらも脂肪をため込みすぎないよう、やや控えめなカロリーの食事にする方が望ましいのです。
この管理の考え方を理解し、鳥が置かれている環境に合わせて実践することは、特に繁殖成績に大きな差を生みます。
ボウシインコが脂肪を蓄えすぎると、繁殖期になってもなかなかスイッチが入らず、繁殖に関心を示さないことがあります。さらに、無精卵を産み始めたり、ペアのタイミングが合わず、最終的に攻撃性が強くなってしまうこともあります。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
アマゾンインコの多くは、年間を通して温暖で安定した気候の地域に生息しています。もちろん、種によっては多少例外もありますが、大半の種は野生下で一年中0〜10℃のような低温にさらされることはありません。
そのため彼らは、機会があれば脂肪を蓄えることはできますが、もともとの代謝はその脂肪を素早く使うようにできています。
ヨーロッパのように寒さが厳しい地域で屋外飼育されている場合は、高カロリー食でも大きな問題になりにくいことがあります。しかし、比較的穏やかな温帯の気候では脂肪がたまりやすくなり、その結果、繁殖期に必要な生殖腺の発達まで妨げられてしまうことがあります。
実際、年齢的には繁殖可能であるにもかかわらず、卵が無精卵だったり、そもそも産卵しなかったりするボウシインコを診察する獣医師は少なくありません。
そうした個体は一見健康そうに見えても、繁殖をうまく進めるための理想的な体重からは大きく外れており、代謝の面でベストな状態にないことがよくあります。
一方で、食事に変化があること自体が、彼らの本来の生態の一部でもあります。野生では、いつでも同じ食べ物が手に入るわけではありません。蓄えを作れない季節もあり、その時期の食事は“生き延びるためのもの”に近くなります。
こうした点を踏まえると、気温は下がるものの極端な寒さにはならない温帯地域で飼育されるボウシインコには、脂肪分を控えめにした、ややシンプルな食事を与えることが有効です。
これは健康的な“休息期間”となり、その後、日照時間や気温が上がり、繁殖期が近づくタイミングに合わせて、栄養や刺激を徐々に増やしていくことができます。
この“休ませる時期”を取り入れる場合は、鳥たちがより活発に餌を探すようになることを理解しておく必要があります。
ペアで飼育している場合は、より好みの餌をめぐって争いが起きないよう注意が必要です。またこの時期は、普段は脂肪分の多い種子や果実が豊富なためにあまり好まれない野菜を食事に取り入れる良い機会でもあります。

繁殖家は、数か月間の“休息期間”を設けて、ボウシインコの体を整えることが大切です。
タンポポの葉やアザミの種は、種に適した基本のシードミックスに加えるのにとても有効です。特に、油分の多い種子は控えめにするのが望ましいでしょう。
また、飛ぶことを促したり、自分で餌を探させたりする工夫も、体づくりには効果的です。そうすることで、春の訪れに向けて良いコンディションを整えることができます。
ここで大切なのは、数か月間、より均一で低カロリーな食事に切り替えることが、「鳥を空腹にさせる」という意味ではないということです。
目的は、あえて少しシンプルな食事にすることで、その後に食事内容の変化をはっきり感じさせ、ボウシインコ自身に季節の移り変わりを認識させることにあります。
©2026 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局
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