ラファエル・ザモラ・パドロン
ロロパーク財団 サイエンティフィック・ダイレクター
ロロ・パーク財団では、春を迎えています。鳥たちにとってこの時期は、行動を変える環境変化がある重要な時期です。敏感な鳥たちにとって、繁殖期は予期せぬ反応をもたらすことがあり、私たちはそれに備えなければなりません。
昨日は羽繕いをしていたペアが、翌朝には執拗にバトルを繰り広げ、一方の命を終わらせてしまう可能性があります。多くの場合、その矛先はメスに向かいます。この時期は、飼育者が特別な注意を払わなければならない状況でもあります。
産み落とされたばかりの卵についても似たようなことが起こります。最初の週はペアが素晴らしい行動をみせ、オスが上手く助けてメスが完璧に抱卵するかもしれません。しかし、2週目には、卵が割れていたりどちらの親鳥の責任かわからないまま完全に消えてしまうことがあります。
鳥の飼育員が行う多くの観察の中で、各鳥のくちばしの状態のチェックがあります。繁殖期にくちばしがくすんでいたり乾燥していたり欠陥がある場合、繁殖結果に影響を及ぼす可能性がある栄養不足が示唆されます。この時期、鳥たちに頻繁に新しい砂利、イカの甲、カルシウム石を提供する必要があります。また、くちばしの形を維持するために止まり木も交換する必要があります。
ペアが卵を割る場合、カルシウム不足が原因であることが多いです。メスが軟らかい卵を産むか、オスが卵殻からカルシウムを求めることがあります。この問題を解決するのは難しいことではありませんが、少し時間がかかることもあります。また、鳥たちのカルシウム代謝にも重要な役割を果たす日光の存在も考慮にいれなければいけません。
くちばしは光沢があり清潔でなければいけません。乾燥していたり斑点があったり白っぽい排泄物がついている場合、改善すべき問題があることを示しています。
ロロ・パーク財団では、この数か月に高い出生率を観測しています。親鳥の活力、繁殖力、そして春の始まりへの態度は良い指標です。イワインコなどの種や、セネガルパロット、チャガシラハネナガインコ、ボタンインコなどのアフリカの種も巣立ちを間近に控えています。同じ頃、シロオウムも巣を準備し、最初の卵を産んでいます。
今は一年で最も興奮する時期の一つです。
©2024 Rafael Zamora Padrón, M.Pérez – Loro Parque Fundación
翻訳:WING YOU事務局
当サイト内の全てのテキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
コメント
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。