(38)明け渡してほしい

いつもありがとうございます。鳥爺です。

「鳥爺のDJ奮闘記」更新しました。 「(38)明け渡してほしい」です。

ディスコのほうは、順調に回り始めました。

少しづつですが、ディスコの収益から借金も返済できるようになってきました。

そんなある日、ディスコを借りているビルのオーナーが、私のところにやってきました。

オーナーは私と同じぐらいの年齢の男性です。

ビルのオーナーでありながら、他にも会社を経営されていました。

そして、すごい緊張した様子で

「明け渡して欲しいのですが、、、」と言われました。

「明け渡す、、、?? 何をですか?」

突然のことなので、言っている意味がわかりません。

「借りたい人がいるので、、、」

「ここ(ディスコ)を出て行け、ということですか?」

と、びっくりして聞き返しました。

「はい。そういうことです、、、」

詳しく話を聞くと、ディスコが倒産するという噂が市内はもちろんのこと、県内に流れたらしく、100km先にある衣料品店が借りたいと申し出たそうです。

そのときオーナーも「倒産間違いない」と思ったらしくOKを出したのです。

これにはオーナー側の言い分もありました。

そもそも、このオーナーが東京に居る私のところに訪ねてきたことがきっけけでした。

「ディスコの家賃が1年間滞納しているので困っています」と、私に助けを求めてきたのです。

どれくらい滞納があるのか尋ねると、600万円くらいあるとのこと。

ディスコが倒産すると、滞納した家賃が戻ってくることはないと思ったそうです。

そこにタイミングよく、衣料品の会社から入居の申し出があったので、快諾をしてしまったということでした。

「断ってください。滞納した家賃はきちんと返すということで承諾してくれましたよね?」

とオーナーに詰め寄りました。

「はい。たしかに、、、。でも、、」

と、何だか頼りない感じででしたが、

「話をしてみます」

といって、その場はお引き取りいただきました。

それから2日後でした。

オーナーが個性的な3人の男性と一緒に私の前に現れたのです。

(つづく)

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