いつもありがとうございます。鳥爺です。
今日、7月7日は「鳥爺」の誕生日です。
このような日だからこそ、決意(大袈裟ですが)を自分なりに再確認する意味で、この番外編を書かせていただきました。
鳥の話でもなく、また皆さんのお役に立てる内容でもありません。関心がある方はお付き合いいただけたら嬉しいです。
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歳を重ねても、忘れもしない日があります。
2003年10月4日。
東京のT大学病院移植外科の先生に「あなたの余命は早くて1か月、長くても1年」と言われました。
正直ショックでしたが、信じられませんでした。
なぜなら2日後の10月6日に、第4回TSUBASAシンポジウムを主催するくらいの体力があったからです。
しかしその告知は間違えていませんでした。
20日後に、2日連続で意識が混濁し、T大病院に搬送され治療を受けました。
肝性脳症でした。
このことがきっかけで、日毎に体力が低下し、意識が朦朧とすることが増えてきました。
移植外科の先生の言っている意味が理解できました。
肝硬変の末期症状でしたが、治療方法はひとつだけありました。肝臓移植です。
肝臓移植はご存知通り、他人の肝臓を私の体に置き換えることです。
正直抵抗がありました。他の人の肝臓をいただいてまで生きる意味があるのだろうか。
また肝臓移植には保険が効かないので膨大な費用もかかります。
しかも当時の移植は、登録しても脳死移植の順番では、私に回ってくるのは3年後くらいと言われました。
「長くて1年」だったので、まず無理です。諦めました。それが私の寿命だと覚悟しました。
そんなときT大病院内科の主治医が、私に京都のK大病院を勧めてくれました。
T大とK大はいつも比較される大学です。
そんなライバル関係にあるK大病院を紹介していただいたことが、運命の分かれ道でした。
そして17年前の今日、生体肝移植手術を受け、新しく命を授かりました。
今まで「太く短く」的にいい加減に生きてきた自分です。
しかし、いただいたこの命は自分だけのためのものではありません。
いただいた命で何かの役に立ちたい、と思うようになりました。
私にできること、そう、今までやってきた鳥のことです。
それから本格的に愛鳥塾や里親会を開催したり、バードライフアドバイザー認定制度を行ったりするようになりました。
不思議なもので、鳥のために何かをやればやるほど健康的になります。主治医の先生も不思議がります。私のように移植をして、こんなに元気で現役で働いている人はあまりいないと。
その秘密を今日は特別にあなたにお伝えします。秘密なのでくれぐれも内緒にしてくださいね。
肝臓移植をすると、その手術後は「ベンツマーク」ができると言われています。
ベンツマーク、、、?
そう車のベンツのエンブレムです。
お腹を切開し、縫合した傷跡が、とても大きなベンツマークのように見えるのです。
また別の見方として、ベンツが買えるほど裕福でないと、移植手術は受けられない、とも言われていました。
そもそもそんな大金を使って、成功するかしないかわからない手術をしたくはありません。仮に手術が成功しても、ただの延命だとも言われていました。
そんなお金があったら、私が最期までお世話できなかった約250羽の鳥たちに使って欲しいと、思っていました。
ところが私が手術した年に健康保険料扱いになったのです。
つまり裕福ではない人でも、移植手術を受けるチャンスが増えたということです。
それから最近はこう言っています。
ベンツマークではなく「人」という字のマークだと。
そしてここからがほんとうの秘密事項です。
手術後、私はいろいろトラブルがあり、何度も切開部を縫合し直しました。
「人」の部分を何度も開けたり、閉じたりしたのですね。痛かったです(苦笑)。
そのため「人」の上の部分(頂点の位置)がケロイド化しました。
自分でもあまり凝視できないくらい酷かったので、あまり見ないようにしていました。
ところがある日、鏡でその部分をよ~く見ると、鳥のヒナの形をしていたのです。
自分でもびっくりしました。
「人」の頭の部分が鳥のヒナ。写真を撮りましたが結構リアルなので掲載を控えますが、イメージとして以下のイラストのような感じです(嘴部分がもっと大きいかな!?)。
これで自分の進むべき道が決まりました。
いただいた命は鳥たちのため、愛鳥家の皆さんのために少しでも役立てたいと。
今まで自分の勉強不足や不注意などで、鳥たちを幸せにできませんでした。
でも、これからは幸せに出来なかった鳥たちへの償いと、今いる鳥たち、そして未来の鳥たちが幸せになるために最善を尽くしたいと思います。
7月7日鳥爺の誕生に意味があった、と自己満足ですが将来そう思えるようになりたいと願っています。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
コメント
コメント ( 10 )
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驚きました。
松本さんのお話を聴くと、心が温かくなるような、言い知れぬ感動が湧いてきました。BLA3級講座で直接お会いした時も、2級のオンライン講座の時も。
私も鳥さん達を助けるお手伝いができる人になりたいです。
迷ったり、ぶつかったりした時に、この投稿を読み直したいと思います。
松本 様
第二のお誕生日おめでとうございます!
意味があっての、第二のお誕生日だとつくづく感じました。
これから先、より一層中身が濃い人生で、そして変わらず健康でありますよう
心からお祝い申し上げます!
そのケロイド化したところが雛の形になったのは、まさに今まで松本さんに助けられてきた鳥達の姿であり、これからも自分たちの仲間を助けてほしいという想いが現れたような気がします。そしてそれを実行されている松本さん、本当に尊敬します。保護団体の活動は表に出されていることの何十倍も辛く、悲しい現実があると思います。鳥が好きという気持ちだけでは到底果たせないことで、強い信念と覚悟、何事にも折れない心持ちが必要だと思います。なぜそれを松本さんがここまでやれるのかが、今回のブログを読んで少し分かった気がしました。鳥達はもちろんのこと、多くの鳥飼いさん達が松本さんの命が救われていまここにお元気にされていることを心から嬉しく、心強く思っていると思います。まさに余人をもって代えがたい方です。これからも鳥達のため、鳥飼い達のためにも健康にお過ごしください。
鳥爺生誕記念おめでとう御座います。 TSUBASAがあり、ロムテックがありでの余命宣告は大変な思いだった事でしょう。そして生還されて、色々ある中で鳥たちへ尽くす思いに至った鳥爺に御苦労やご心配があれば少しでも分けて頂きたい気持ちでいます。九州男子と言えど、お酒も適度にお身体ご自愛下さいます様、これからも宜しくお願いします。
お話感動しました。きっと松本さんは鳥たちのために行かされたのでは?と思いました。どうかこれからもまた鳥たち、動物たちのためにお体に気を付けてお過ごしください。また今後もいろいろご教授いただきたく思っております。
心温まるメッセージありがとうございます。
私自身を鼓舞する意味でこの記事を書かせていただきました。
やりたいことはいっぱいあるのですが、最初の一歩が踏み出せません。
でも、なんだか皆さんが付いていると思うと、勇気が湧いてきました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ほんと、長生きしてください!仕事の事から人生の事まで沢山教えて頂いたので恩返しできる時間をくださいね。後・・・80年程必要です(笑)
松本さん、ご無沙汰しています 丁度移植をし定期的に京都に行かれている時にボウシインコの里親面接の機会をいただきました 話の中でご自身の健康に触れられ移植仲間が段々少なくなってくると仰っていた事を昨日のことの様に覚えています 難しい移植手術をして逝ってしまう人と自分との違いは鳥への熱い情熱と思い、強い使命感が生かされているのかも知れないと主治医に言われた様なこともおっしゃっていた様な あれからずーっとお元気で活躍されていること とっても嬉しく思っています これからも引き続き楽しみにしています 遅くなりましたがお誕生日おめでとうございました
キボリンゴさん、メッセージありがとうございます。
よく覚えていらっしゃいますね。光栄です。
おかげさまで加齢による体力の衰えはありますが、それ以外は逆に元気になっています。
もしかしたら「鳥爺」を返上して「鳥兄」に改名したいくらいです(苦笑)。