(7)「自然淘汰だよ。野生ではそうだろ?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

20年以上前、国内のブリーダーさんの中でも名の知れた、ある繁殖場を見学に行ったときのことでした。

繁殖場の中に入る前から強い臭いがしてきました。そして室内に入ると、強烈な異臭に一瞬たじろぎ足が止まりました。それもそのはず、ペアになっている鳥たちの部屋の床は、止まり木の下を頂点に、こんもりとしたウンチの山が出来上がっていました。

私は恐る恐るブリーダーさんに聞きました。

「掃除はどれくらいの頻度で行っているのですか?」と。

すると

「今の繁殖が終わってからだよ」と、速攻で返事が返ってきました。さらに続けて

「掃除をすると繁殖率が下がるからね」

親鳥がびっくりして子育てを放棄するそうです。

へぇ~、そんなんだ、とその時は思いました。しかしウンチの山を見て、繁殖期だけではなさそうなので、具体的に聞きました。

「何ヶ月くらいしたら掃除するのですか?」

「そうだな、半年に1回くらい」

半年、、、!? 言葉に出しませんが、心の中で驚きました。

信じられません。国内でも有名な繁殖場です。私だけでなく多くの方が見学に来たり、鳥を購入に来たりしていると思います。そういう人たちは、この環境を見てどう感じたのでしょか!?

「でも、この環境(掃除をしていない繁殖場)だと子育て放棄より、病気をほうが心配なのでは?」と、個人的な気持ちを伝えました。

するとブリーダーさんは今まで表情とは一変して一瞬を嫌な顔をしました。

気に障ったようです。ということは、今までこんなことを言う人がいなかったということでしょうか?

ブリーダーさんは、私を睨みながら

「自然淘汰だよ。弱い鳥は死んで、強い鳥が生き延びるんだ。野生ではそうだろ?」と。

さらに

「だからお客のところに行く鳥は強いんだよ。あんた(私のこと)のところにも丈夫な鳥を送るよ」

と勝ち誇ったような笑みを浮かべていたことが印象的でした。

ちょっとだけ現在に戻ります。

愛鳥家さんから「酷い小鳥屋がある」との通報を受けて、こっそり視察に行くことがあります。

そこにはお年寄りの方が一人、もしくはご夫婦で営んでいるところがほとんどです。

視察に行くときに対立姿勢で行くと、門前払いされる可能性が高いです。

そこで私の役柄(?)は、昔ながらの鳥好きのオヤジという設定で入店します。

するといろいろな話をしてくれます。小鳥屋の親父さんも鳥好きであることには間違いありませんので。

ただ昔ながらのやり方で成功体験を引きずっているので、止まり木の下がウンチの山になっていることに、問題意識すら感じていないようです。

そんな親父さんが悪びれることなく、

「弱い鳥は死んで、強い鳥が生き延びるんだ。野生ではそうだろ?」

と似たようなことを言われます。

小鳥屋やペットショップは野生ではない!、言い返したいことを我慢しつつ、現在も20年以上前と同じような考えをする小鳥屋さんが、まだまだあります。

後継者がいない場合、こういうお店は時間の経過とともに無くなるでしょう。

しかし、今そこにいる鳥たちのことを考えると複雑な心境です。

(つづく)

今日もいい日でありますように (^o^)/

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コメント

  • コメント ( 2 )

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  1. 今そこにいる鳥たちのことを考えると…
    うちの子もメガバクテリアを持っていましたが、やはりヒナの時に感染したのでしょうね。

  2. ご自宅は清潔にされていますので、たぶんショップか繁殖場の可能性が高いと思います。尊い命のためにも改善をしてほしいと願っています。

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