いつもありがとうございます。鳥爺です。
カワダさんが見せてくれた借用書は本物のようです。
しかし、そこに書かれた金額には驚きました。信金さんとの借り入れを合計すると、ロムテックの1年分の売り上げに相当します。また自殺した歯科の院長先生の負債額に近い数字でした。
こんな借金をどうやって返せばいいのだろうか?
借用書を見ながら途方に暮れている私に対し、カワダさんが言いました。
「同情はするが、あんたが代表になった以上、きちんと払ってもらうよ」
電話や先週の屋上のときに比べて、少しづつですが、言葉遣いが優しくなった気がします。
「ところで、あんたディスコ嫌いか?」
と、お金とは関係のない質問を投げかけてきました。
「嫌いとは言えませんが、好きではありません」と私。
「あいまいだな。俺はソウルが好きで、よくお店に行くよ」
ソウル??
韓国のお店??
意味がわかりません。
「そうか、ソウル知らないんだ。あんたも若い頃はソウル全盛期だろう?」
よくわかりませんが、韓国のソウルではなく、ダンスミュージックの「ソウル」というジャンル(?)のようです。
このやりとりをきっかけに、カワダさんからソウルやディスコのレクチャーが始まりました。
私にディスコの素晴らしさを伝えたいのか、その表情は優しく、1週間前に屋上であったときはとは別人のようです。
そして
「俺は、この店を潰したくないんだ」とカワダさんがポツリと呟きました。
うむ、何、この展開は?
「もし潰れたら、踊りに行くのに東京まで行かなくちゃならないからな」
と続けました。
そして、
「潰したくないからお金を貸したんだ。わかるか?」
ちょっと待って。
もしかしたら新たな手法で攻めて来たのかなと勘ぐりました。
でも、もしそれが本当であるならば、私としても交渉することができます。
考えが浮かびました。
危険な賭けですが、一か八かの大勝負をする価値はあります。
(つづく)
コメント
コメント ( 4 )
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続きが気になりすぎます!!!
そう言ってもらえて光栄です。次号を楽しみに。
ロムテックの1年の売上に相当!?
自殺した歯科院長の負債額に近い!?
そんな多額な負債があることも知らずに入ってしまった道だったんですね。しかも相手が相手ですし・・・
さすがの鳥爺も
「ソウルって韓国のソウルですか?」
とは聞けませんでしたね(笑)
私もカワダさんのソウルとディスコのレクチャーを聞きたかったです!
それにしても、こんな究極な場面でもいいアイディアが浮かんでくるんですから凄いです。
カワダさんのソウルミュージックの想いは熱かったです。後で知りますが踊りも上手でした。
アイデアは追い込まれると浮かぶ(降りてくる?)のかもしれませんね。